憲法前文 参考人名
公述人名
回次 -

2 理念、法規範性

理念・内容
  • 我々が考えるべき長期的なビジョンは、個人の尊厳と公正な市民参加に立脚した地域社会の構築、国民の安全と福祉を保持し、国際社会においては一国平和主義を排し、地球益を包含した広義の国益に立脚した国際連帯意識を持つべきこと、その中で、地域協力と国際協力の二つを柱として、世界平和の維持・構築、民主化の進展、地球環境保全と両立する世界経済の発展・安定と南北格差、南南格差の縮小を図り、もってMDG(新世紀開発目標)の達成に努めるというもので、これは、憲法を改正するならば、しっかりと前文に入れるような考え方である
廣野良吉 159 4 - 8
  • 前文には基本原則が列挙されているが、例えば人権と国民主権、平和主義と国際協調主義の相互関係は読み取れず、その根本には国家像や国家と国民の関係が憲法からは読み取れないということがある
棟居快行 159 6 - 6
  • 前文か本文かは別として、国家が知的インフラを整備するという役割を強調し、学習権や情報への自由を人権の基底に据え、人の能力を引き出すような国家像を出し、これを明記することがこれからの憲法の在り方として必要
棟居快行 159 6 6 - - 7 9
  • 国民の自由な自己決定と自己責任という形で国家と国民の間の線引きをし直すことが必要であり、前文の役割として重要
棟居快行 159 6 6 - - 7 9
  • 前文に、日本が世界と共存しながら生きていくための宣言として、持続的社会の形成について是非入れてほしい
五十嵐敬喜* 162 I - 3
  • 前文に知的創造立国を、財産権規定に知的財産権を、教育を受ける権利規定に知的創造教育を、内閣の職務規定に知的創造施策を、司法においては専門裁判所の位置付けをそれぞれ明確にうたうべき
森 哲也* 162 I - 7
<平和主義・国際協調主義>
  • 「いづれの国家も、自国のことのみに専念してはならない」とは、国際平和と秩序の恩恵を大きく受けている日本が、国連の平和維持及び平和強制活動に応分の金銭的・物質的、さらに、軍隊を含む人的貢献をすることを義務付けられていることを意味する
ミルトン・J・エスマン 147 7 - 7
  • 前文、9条がこのままでも国際貢献は十分可能
暉峻淑子 147 8 - 3
  • 前文と9条は、徹底した平和主義を実定化したもの。前文では、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないようにすることを決意し、併せて各国の国民の平和的生存権を確認・保障している
上田勝美 156 6 - 4
  • 前文の定める国際協調主義は、世界の国民とともに恒久平和のあまねく行き渡る世界をつくるという決意である
上田勝美 156 6 - 5
  • 憲法が一国平和主義ではなく国際平和への責務を負うことは、自国のことのみに専念してはならないという前文に明らか
坂本義和 156 7 - 2
  • 前文により日本が負う国際平和への責務が専守防衛の域を越える場合は、国連決議と国際法に基づき判断し、国際的な正統性と合法性を満たすことが不可欠の条件
坂本義和 156 7 - 2
  • 日本が前文により負う国際的責務には国連の狭義・広義の平和維持活動への国際基準の武装部隊参加を含むが、戦闘目的とは異なる任務と技能を持つ、民生の復興に適した別組織の充実が必要
坂本義和 156 7 - 3
  • 前文に流れているのは基本的に平和主義と国際主義であり、名誉ある地位を占めるという基本的な決意を変える必要はないが、やや過度な理想主義があるとも解釈されないことはない
明石 康 156 7 - 3
  • 前文と9条1項の精神はそのままでありたいが、何をすれば平和が支えられるのか、平和の持つ経済的・社会的・文化的背景などにも思いを寄せながら日本の役割を探る必要がある
明石 康 156 7 - 12
  • 前文には、よい日本語で、国民の安全と国際の安全の平和的達成を望み、あらゆる努力をするということをうたえばいい
五百旗頭真 156 7 - 7
  • 前文が「他国を無視してはならない」としている趣旨は、日本が過去に独善的な姿勢で国際社会に臨んだ結果、戦争となったことへの戒めである
植村秀樹 156 8 - 13
  • 国家の安全保障を補うものとして、前文に人間の安全保障の促進を明記すべき
林 明夫* 156 I - 5
  • 前文は、日本の個性をいかしつつ国際的秩序構築に向けて主体性を持った新しいものにすべき。国際的な平和構築の主体的な参画者となるべき信念に基づく考え方が必要であり、人間の安全保障を外交の基本政策の一つとするのであれば、これを前文に入れてほしい
林 明夫* 156 I - 5
  • 憲法の平和条項は、他の憲法と比べより徹底した非武装平和主義で、前文と9条という優れた構造の規範性を持つ。殊に前文において、全世界の人民の普遍的かつ平等の平和的生存権を尊重する責務を表明していることは非常に重要
功刀達朗 159 3 - 5
  • これまでは、武器を持たないことにより、国家像を説明しなくても済んだ面があったが、現在のように大きな国になったときにそのままでいくことは困難
棟居快行 159 6 - 8
  • 前文で恒久平和と侵害戦争の放棄を宣言し、裁判規範性を持つ9条で、現実の平和の概念に立脚して国防のための軍備のみは保持することを規定すれば、近隣諸国に脅威を及ぼすことはないと考える
森哲也* 162 I - 13
  • 「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して~」の部分は、(1) 北朝鮮やテロの脅威等日本が置かれた国際情勢に合わないこと、(2) 平和に対するこのような考え方は、強制措置に担保された国連憲章の考え方とは相入れないことから、削除すべき
高見康裕* 162 I - 19
  • 前文には、日本が国際社会においてどのような外交姿勢をとっていくかを宣言することが望ましい。外交の目的は理念の追求ではなく、自由や民主主義、人権のような原則は、日本が追求すべきものであるが、それを外交の目的とすべきではない
高見康裕* 162 I - 27
  • 例えば、世界の平和と繁栄のために積極的に努力することを宣言し、それにより、日本国及び日本国民の平和と繁栄の維持増進を実現することを目指すというようなシンプルな前文とすべき
高見康裕* 162 I - 27
  • 前文は他力本願のことが書かれている。国民の生命、財産、領土を守るといった国家の基本的な使命を放棄しており、さらに、世界平和には貢献しないとの意思表明とも取られかねない
永久寿夫* 162 I - 20
  • 自分たちの試案では、前文に、国の安全、諸国民の繁栄と平和の実現に積極的に貢献するということを書いている
永久寿夫* 162 I - 21
<平和的生存権>→平和主義と安全保障 1 第9条と平和主義の理念
<基本的人権の尊重>
  • 前文の精神を国際社会の中で示していく最もよい方法は、人権問題について日本がもっと積極的に国際社会の中で発言し、行動していくことではないか
横田洋三 154 8 - 3
<歴史・伝統・文化、日本のアイデンティティー>
  • 新憲法の制定に際しては、前文に、日本人が大事にしてきた「和」の精神を反映し、また、天皇についても一言あってほしい
青山武憲 159 6 - 3
  • 前文で天皇に触れる場合、天皇と国民は昔から一体感があるので、書き出しで「天皇を国の象徴とする我々日本国民は」とすればよく、それ以上触れる必要はない
青山武憲 159 6 - 9
  • 前文に日本らしさがないことには反発を感じる。日本の良いところ、新しい理想を掲げるということを出してほしい
英 正道 159 6 - 14
表現
  • 前文は書き出しから分かりにくい、GHQによる英文憲法と一致しない部分がある、本文と内容的に一致しない部分がある等、宣言の仕方が妥当ではない
青山武憲 159 6 6 - - 1 2
法規範性
  • 前文は憲法の理念を国民に説明し同時に世界にも発信するメッセージとしての役割を持つ反面、裁判規範的な役割は必ずしも認められない
棟居快行 159 6 - 6

ページトップへ