10 海外派遣調査

 憲法に関する調査に当たっては、国家の基本を定める法規範であるというその重要性から、比較憲法的見地からの調査が不可欠である。我が国にとって特に参考になると思われる、民主主義・自由主義的な国家体制を有し、一定規模以上の人口・経済力を持つ国の憲法を主に、さらに国際連合や欧州連合(EU)など憲法にとっても重要な国際機関や国家連合をも対象とし、文献等の資料調査とあわせ、現地調査を行うこととした。

 平成13年1月以降、4回にわたり、特定事項に関する調査班として、本憲法調査会所属議員を中心とする議員団が派遣され、憲法事情・政治経済事情等の視察を目的として、海外において実地に調査を行った。海外調査の結果は憲法調査会に報告され、委員間で活発な発言が交わされた。

アメリカ合衆国
(平成13年1月7日~14日) (平成13年2月21日調査会に報告)

 連邦議会及び議会補佐機構、連邦最高裁判所、連邦緊急事態管理庁、シンクタンク、憲法学者、NGO、州政府等を訪問し、憲法の在り方、議会制度、裁判制度、連邦制・地方制度、危機管理、人権保障等について調査を行った。

ドイツ・スペイン・英国
(平成13年9月5日~13日) (平成13年11月7日調査会に報告)

 各国の議会や政府関係機関を始め、護民官(オンブズマン)、憲法学者、NGO等を訪問し、憲法の在り方、議会制・二院制、連邦制度、地方自治制度、人権保障、安全保障、EUとの関係等について調査を行った。

イタリア・ベルギー・フランス・EU
(平成14年9月3日~14日) (平成14年10月30日調査会に報告)

 各国の議会、憲法裁判所等の政府関係機関、憲法学者、NGO等を訪問し、憲法の在り方、議会制・二院制、人権保障、憲法訴訟等について調査した。また、EU・欧州評議会・欧州人権裁判所を訪問し、活動状況と今後の見通し等について調査を行った。

コスタリカ・カナダ・国際連合
(平成15年9月3日~13日) (平成15年12月3日に調査会に報告)

 各国の議会、憲法裁判所その他の政府関係機関を訪問し、憲法の在り方、二院制、人権保障、憲法訴訟、安全保障、危機管理、PKO等について調査した。また、国際連合を訪問し、平和主義・安全保障への取組、現状と課題等について調査を行った。

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