一 審議経過

 二院制と参議院の在り方については、従前より参議院憲法調査会が責任を持って調査検討を行うべきというのが各会派ともおおむね共通した認識であった。憲法調査会では、これまで調査は本調査会で行うことを基本としてきたが、このテーマに関しては、弾力的かつ機動的に運営できる小委員会方式により集中的に行うことが望ましいとの判断から、第159回国会の平成16年2月18日の憲法調査会で「二院制と参議院の在り方に関する小委員会」を設置することが決定された。

 同国会において本小委員会は、3月12日「二院制と参議院の在り方をめぐる論点」(参考人 国立国会図書館調査及び立法考査局政治議会調査室主任・北海道大学名誉教授 高見勝利氏)、4月14日「参議院改革」(参考人 日本大学法学部教授 岩井奉信氏、京都大学大学院法学研究科教授 大石眞氏及び東京大学大学院法学政治学研究科教授 蒲島郁夫氏)及び5月19日「選挙制度の在り方」(参考人 政策研究大学院大学教授 飯尾潤氏、駒澤大学法学部教授 大山礼子氏、元日本経済新聞社論説顧問 金指正雄氏)のテーマで、それぞれ参考人質疑をした後、小委員間で意見交換を行い、5月26日、保坂三蔵小委員長がその経過の概要を憲法調査会において報告した。

 第20回参議院議員通常選挙(平成16年7月11日)後、第161回国会の平成16年10月15日に再び「二院制と参議院の在り方に関する小委員会」が設置され、11月5日「選挙制度を中心とした参議院の在り方」(参考人 慶應義塾大学法学部教授 小林良彰氏)のテーマで、参考人質疑及び小委員間での意見交換を、11月19日「参議院と衆議院の役割分担」のテーマで、小委員間で意見交換を行い、12月1日の憲法調査会において、舛添要一小委員長がそれまでの議論を論点整理し報告した。

 今第162回国会においては、平成17年2月4日及び2月16日に舛添小委員長報告(論点整理)で示された論点に基づいて小委員間での意見交換を行った。

 これら7回にわたる小委員会での論議を通し、会派を超えて二院制と参議院の在り方についての理解が深まったと確信する。その内容については、各会派おおむね共通の認識が得られたものと、現段階では意見が分かれているため、さらに今後検討が必要なものがあるので、これらを整理し、今般、小委員会報告として取りまとめ報告する。

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