付録2
帝國憲法改正案
右別冊ノ通修正議決セリ依テ及報告候也
昭和二十一年十月三日
委員長 安倍 能成
貴族院議長公爵徳川家正殿
──────────
(小字及━━ハ特別委員修正)
日本國憲法
日本國民は、正當に選擧された國會における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸國民との協和による成果と、わが國全土にわたつて自由のもたらす惠澤を確保し、政府の
行動行爲によつて再び戰爭の慘禍が
発生し起ることのないやうにすることを決意し、ここに主權が國民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも國政は、國民の
崇高嚴肅な信託によるものであつて、その權威は國民に由來し、その權力は國民の代表者がこれを行使し、その福利は國民がこれを享受する。
ものである。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基く
。○ものである。○われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
日本國民は、
常に恒久の平和を念願し、人間相互の關係を支配する
高遠崇高な理想を深く自覺する
ものであつて、
われらの安全と生存をあげて、平和を愛する
世界の諸國民の公正と信義に
委ね信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、專制と隷從、壓迫と偏狹を地上から永遠に除去しようと努めてゐる國際社會に
伍して、おいて、名譽ある地位を占めたい
ものと思ふ。われらは、全世界の國民が、ひとしく恐怖と缺乏から免かれ、平和のうちに生存する權利を有することを確認する。
われらは、いづれの國家も、自國のことのみに專念して他國を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なもので
あると信ずる。あり、この法則に從ふことは、自國の主權を維持し、他國と對等關係に立たうとする各國の責務であると信ずる。
日本國民は、國家の名譽にかけ、全力をあげてこの
高遠崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
第十五條 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、國民固有の權利である。
すべて公務員は、全體の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
公務員の選擧については、成年者による普通選擧を保障する。
すべて選擧における投票の祕密は、これを侵してはならない。選擧人は、その選擇に關し公的にも私的にも責任を問はれない。
第五十九條 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、兩議院で可決したとき法律となる。
衆議院で可決し、參議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の三分の二以上の多數で再び可決したときは、法律となる。
前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、兩議院の協議會を開くことを求めることを妨げない。
參議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、國會休會中の期間を除いて六十日以内に、議決しないときは、衆議院は、參議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。
第六十六條 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣總理大臣及びその他の國務大臣でこれを組織する。
内閣總理大臣その他の國務大臣は、文民でなければならない。
内閣は、行政權の行使について、國會に對し連帯して責任を負ふ。
ページトップへ