第213回国会(常会)

令和6年6月12日(水)第5回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(国民投票法等について))
【事務局当局及び川崎参議院法制局長の説明骨子】
憲法審査会事務局当局
  • 国民投票法の制定及び改正の経過、附則の検討事項等
川崎参議院法制局長
  • 憲法改正に係る手続、流れ、検討課題等
【主な発言項目】
片山 さつき 君(自民)
  • これまでの国民投票法改正時も、投票人の投票に係る環境整備の規定を公選法並びのものとすることは合理的であると判断されており、現在、衆議院憲法審査会に付託されている、公選法と同様の投票環境整備を行う国民投票法改正案が参議院に送付されれば速やかに審議すべきとの見解
  • 国民投票の公平公正の確保は、投票の公正確保のための最小限の規制を課すことを基本とし、放送事業者は自主的な規制、取組により対応すべきであり、インターネット広告の規制については広告回数や広告費などの広報協議会への報告の義務付けなどが考えられるとの見解
  • 生成AIによるフェイクニュースなどの影響が深刻さを増しており、国民投票に関するインターネット等の適正な利用の確保を図るため、広報協議会によるガイドラインの提示や外部のファクトチェック機関との連携などが有効であるとの見解
  • 合同審査会規程、広報協議会規程など、いわゆる細則的事項を定めるための規程の議論は参議院ではほとんど行われておらず、衆参の議院運営委員会とは別に、参議院憲法審査会においても委員間で深めていくべきとの見解
辻元 清美 君(立憲)
  • 国民投票法制定当時に比べ、インターネット社会は著しく進歩、進化、拡大しており、テレビCMの投票日前2週間の禁止だけでなく、インターネットCMについても、何らかの法規制が必要であり、立憲民主党は、政党等によるインターネットCMを禁止し、その他の者によるインターネットCMについてはインターネット広告事業者にCM掲載基準の策定等の努力義務を課す国民投票法改正案をまとめているとの見解
  • インターネットの適正利用の確保は喫緊の課題であり、広報協議会によるガイドラインの作成などのほか、フェイクニュース対策として、広報協議会による客観的かつ中立的な情報の積極的な提供、広報協議会とファクトチェック団体との連携などを積極的に検討すべきとの見解
  • 資金力の多寡による公平性への悪影響を踏まえ、国民投票運動等の支出上限の設定、収支報告書の提出などが必要であるとの見解
伊藤 孝江 君(公明)
  • 国民投票の環境整備として、国民に対し公正中立で分かりやすく十分な量の正確な情報が提供されることが不可欠であり、表現の自由と国民の知る権利の保障が民主主義の基盤であって、その制約は必要最小限でなければならないところ、国民投票法では、投票期日直前14日間、国民投票運動のための広告放送を禁止するとしていることから、これ以上の規制は、業界団体や放送事業者の自主規制に委ねられるべきとの見解
  • 新聞等の活字媒体、テレビ等の放送メディア、インターネットを通じた有料CMについて、広告主である政党が広告の量や時期等についての自主規制ルールを検討し、政党間での協議につなげていく必要があるとの見解
  • 国民への情報提供において、インターネットの活用も含め、広報協議会の役割が極めて重要であり、広報機能の充実強化が求められるところ、協議会の運営、組織等に関する事項、広報のための放送に関する事項、広報のための新聞広告に関する事項について、規程の整備を検討する必要があるとの見解
  • 一人でも多くの国民が国民投票運動に関する共通認識を持つことが大切であり、憲法改正案とともに国民投票運動についても丁寧に周知、広報し、国民投票運動を促進することが必要との見解
片山 大介 君(維教)
  • 令和3年改正国民投票法附則4条の検討課題については、この解決が優先されるのか、検討しながらも改正原案の審議と改正の発議も行うことができるのか議論になってきたが、国会法では、憲法審査会は憲法に関する調査、改正原案の審査及び国民投票の審査が目的とされ、この三つに優劣はなく、憲法本体の議論と国民投票に関わる議論を同時に進めていくことができるとの見解
  • 検討課題のうち、投票人の投票に係る環境の整備については、我が党を含む4会派でおととし、開票立会人の選任に係る規定の整備など3項目からなる公選法並びの改正案を衆議院に提出しており、これが成立すれば検討課題の一つが解決されることになるのに、その後2年以上にわたってたなざらしになっていることを改めて認識していただきたいとの見解
  • 検討課題のうち、国民投票の公平及び公正の確保については、国民投票法制定時の基本的な考え方に立ち戻るべきであり、これを踏まえれば、国民投票運動の放送CMやインターネットCMを含めたインターネット上の情報発信については、法による過度な規制は政治的表現の自由を制約することにつながりかねず、自由と公正のバランスを踏まえた慎重な対応が必要であるとの見解
  • 広報協議会については、運営、組織に関する事項や広報のための放送、新聞広告に関する事項の規程が未整備のままであるが、国民投票を実施するに当たってこうした整備は大前提になるので、間もなく会期末を迎える国会の開会、閉会に関係なく早急に検討を進めていくべきとの見解
礒崎 哲史 君(民主)
  • 国民投票法105条の放送事業者について、多様な放送形態や事業者がある現状においては、明確にその領域を検討し、現状に合わせた整理が必要との見解
  • 広報協議会が行う憲法改正案の広告の規定は、テレビ、ラジオ、新聞に限定され、インターネットを利用した広告についての法整備が必要であり、その際、重要なことは、テレビ、ラジオ放送での同一の時間数及び同等の時間帯や新聞広告での同一の寸法及び回数をインターネット上でどのように確保し、公正性、公平性を担保するのかを具体的に検討する必要があるとの見解
  • インターネット広告について、プラットフォーム事業者が守るべき放送法4条のような政治的中立性を求める一般ルールの必要性についても議論が必要であり、これは国民投票法に限らない問題でもあるとの見解
  • 膨大かつ巧妙なフェイク情報があふれた際に、果たして広報協議会の発信だけで対抗できるのかとの疑問があるため、情報リテラシー教育の強化等に加え、広報協議会に何らかのファクトチェック機能を持たせることを民間機関との連携を含めて検討すべきとの見解
山添 拓 君(共産)
  • インターネット有料広告は、選挙区内のユーザーに絞って配信するターゲティング広告も可能であり、また、資金が豊富な候補者や陣営が多くの広告を出せば選挙の公平性を保てない懸念があるため、政治活動としての政策広告ではなく、選挙運動としてのインターネット有料広告が公選法で禁止されているのは必要な措置と言えるとの見解
  • 有権者の自由な意見表明が最も尊重されるべき国民投票で、公務員や教員個々人の運動を萎縮させるような規定がありながら、投票権を持たない企業などの資金力を動員した広告の大量発信は制限しておらず、また、SNSを含むインターネット、AIの利用、フェイク情報等によっても巨大な影響を及ぼし得るとの見解
  • 主権者一人一人の意思より資金力の多寡が国民投票の結果を左右しかねないのは、現行法が抱える根本的な欠陥の一つであり、自民党の裏金事件に象徴される、民意ではなく金が物を言う政治の在り方は言語道断であるとの見解
山本 太郎 君(れ新)
  • 圧倒的、一方的な意見を伝え続けるテレビCM、番組などが一日中垂れ流されれば、憲法改正の中身を理解しないまま、メディアに演出された盛り上がりに乗って記憶に多く刷り込まれた方に投票する事態が起こり得、広告宣伝に対する制限というのはほぼ存在しない現行法は害悪でしかないとの見解
  • 資金量の多寡がCMの量に影響し、一方的な情報のみが流されるとの懸念があると認識しつつも、国民投票法には資金上限は設けず、CMの出し手、受け手の自主的規制によって解決すべきとの姿勢は民主主義の破壊であるとの見解
  • 少なくとも世界の国々で行われているレベルの厳格なメディア規制がされない限り、前に進めてはいけないのが憲法改正であるとの見解
高良 鉄美 君(沖縄)
  • 日本国憲法が硬性憲法であることは憲法保障の一端であることや憲法制定権力は主権者である国民にあることを踏まえると、憲法96条の憲法改正案に対する国民の承認には、主権者、有権者としての国民の総数の過半数の賛成が必要と解するのが憲法の規定と最も整合的であるとの見解
  • 最低投票率の定めがなくごく僅かの投票者のみで憲法改正案を決することは、国民投票は主権者の意思表明であるという意義を失わせるとの見解
  • 憲法改正原案の審査に両院協議会や合同審査会を活用することは、憲法改正の発議に各議院の総議員の3分の2以上の賛成を必要とする憲法96条の意味を失わせるとの見解
小林 一大 君(自民)
  • 衆議院憲法審査会に付託されている国民投票法改正案について、投票環境の整備という観点で、既に改正された公選法と平仄が取れていない状況にあることから、参議院に送付された場合、速やかに審議し成立させるべきとの見解
  • 令和3年の国民投票法改正の際に、与野党各会派の原案発議者、修正案提出者の答弁において、検討条項の下でも法制的に憲法本体の議論や憲法改正の発議が可能であるとの共通認識が示されていることから、検討事項について結論が出ないことをもって憲法改正の発議ができないということはないとの見解
  • 広報協議会規程等の制定に向けても議論を進めなければならないが、フェイクニュース対策が極めて技術的、専門的であること等から、広報協議会規程等を議論する際に、集中的に議論するための別の検討の場を設けることも考慮すべきとの提案
小沢 雅仁 君(立憲)
  • 累次の国民投票法の改正において、参議院憲法審査会では、国民投票の公平及び公正や国民投票運動の自由を守るために重要な事項の附帯決議が付されているが、政府が対応を求められた項目については検討状況さえ分からないものが大半であり、本審査会として、まずは政府に対し、附帯決議で求められた項目の検討状況や講じた措置などについての報告を速やかに求める必要があるとの見解
  • 憲法改正の正当性を確保するためなどの観点から、最低投票率制度の意義、是非について検討し、速やかに結論を得る旨の附帯決議が設けられたが、その後、この議論は深まっておらず、憲法改正の正当性が確保されない国民投票などあってはならないため、憲法改正の本体議論の前に、最低投票率制度の議論を進めるべきとの見解
  • 措置しなければならない国民投票法の課題は山積しており、衆議院憲法審査会の与党と一部野党は、緊急集会制度の曲解に基づく憲法改正発議に向けて、幹事懇談会での改憲条文の検討や条文起草委員会の設置の主張など前のめりになっているが、これら参議院憲法審査会の附帯決議で求められた項目が解決するまで、改憲条文の審議など許さないとの見解
  • 平成26年附帯決議にある、憲法審査会は立憲主義に基づいて徹底的に審議を尽くすことの定めに基づき、さきに私が幹事会協議事項としている改正地方自治法の国の指示権の違憲性について、参議院憲法審査会で徹底審議することの要請
塩田 博昭 君(公明)
  • 令和3年改正国民投票法附則の検討条項のうち、投票人の投票に係る環境を整備するための事項等について、衆議院に、自民、維新、公明、有志の会の共同提案の国民投票法改正案が提出されており、公選法で改正済みの内容を同法に反映させる必要性は明らかなので、速やかに成立させるべきとの見解
  • 附則の検討条項のうち、国民投票の公平及び公正を確保するための事項等の広告規制について、国民投票運動はできる限り自由な運動を保障すべきであり、今以上の規制は、広告の出し手である政党側と受け手の放送事業者等のそれぞれの自主規制、自主ルールに委ねられるべきとの見解
  • 附則の検討条項のうち、国民投票の公平及び公正を確保するための事項等の情報化社会における偽情報、誤情報対策について、広報協議会が、民間のファクトチェック機関と緊密に連携を取り、偽情報、誤情報を指摘するとともに、インターネット上に正確な情報を多く発信し、その情報に国民が簡単にアクセスできるようにすることも検討する必要があり、これらを踏まえ、広報協議会の在り方を改めて検討すべきとの見解
柴田 巧 君(維教)
  • 令和3年改正国民投票法附則4条1号の要請に応えるべく令和4年4月に衆議院に提出された国民投票法改正案は、内容的には全く党派性が入り込む余地はなく、附則4条の検討事項のうち、合意に達している項目から速やかに法制化するとともに、合意に達していない事項は引き続き議論を深めていく必要があるとの見解
  • 国民投票運動は基本的に自由になされるべきであるため、民放連やインターネット事業者の自主的な取組により広告の取扱いを判断する際には、その参考となるよう広報協議会がガイドラインを定めることとし、また、インターネット規制に関しては、国民投票に限った問題ではない上、規制自体に困難が伴うので、広報協議会が民間ファクトチェック団体と緊密に連携して対応すべきであるとの見解
  • CM規制など一部の議論が決着しなければ憲法本体の議論を先に延ばすべきだという見解に流されることなく、車の両輪である憲法本体の議論と国民投票に関わる議論の双方を同時並行的に、また、各党が条文案を出し合い、改正に向けた作業を進めるために定例日以外や閉会中も、議論を進めるべきとの見解
  • 政治への信頼を大きく失墜させている元凶の一つは、国民に公約したことを真剣に果たそうとしないことであり、この秋の総裁任期までに憲法改正を実現したいと総裁が言うなら、堂々と進めるべきであり、憲法改正は党是だと言うのならば、困難があっても約束どおり実現に向け最大限の努力をすべきであり、政治の信頼回復のため自民党の奮起を強く求めるとの見解
小西 洋之 君(立憲)
  • 令和3年改正国民投票法附則4条2号は、この規定に基づいてCM規制などの法改正を検討している間は改憲発議を行うことができないという趣旨の条文であることが、参議院憲法審査会での審議を通じて決着しているとの見解
  • 衆参両院の憲法審査会の任務は、附則4条の定める検討の期限が本年9月であることも踏まえ、国民投票の公平公正を確保するため、早急に広報協議会の役割も含めて法改正を中心とする措置を講じることであるとの見解
  • 衆議院憲法審査会の任期延長改憲の議論とその改憲条文の作成の動きは、参議院を否定し、憲法規範と法の支配、立憲主義の破壊行為であること、附則4条に基づく国民投票法の改正などがなされるまでは改憲発議は法的に許されないとの見解

※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。

令和6年5月29日(水)第4回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について))
【川崎参議院法制局長及び高橋内閣府政策統括官の説明骨子】
川崎参議院法制局長
  • 第177回国会において東日本大震災に関連して講じられた立法措置等
高橋内閣府政策統括官
  • 政府における首都直下地震対策の概要
【主な発言項目】
佐藤 正久 君(自民) 
  • 緊急集会は、平時、有事問わず、衆議院不存在時のための制度であり、本院憲法審査会では、衆議院議員の任期満了時でも内閣は緊急集会を求め得るとの見解について、異なる会派意見はなかったことの確認
  • 緊急集会に関わる4つの論点については、緊急集会が内閣の求めに応じて開かれ、参議院で決定した法律や予算措置は衆議院の事後承認が必要であることから、内閣、参議院、衆議院でその解釈をすり合わせ、その上での憲法改正や法律改正が必要ではないかとの法制局長から示された見解は、改正事項が後に裁判で憲法違反と言われないためにも重要だとの見解
  • 緊急集会において議員が発議できる議案の範囲について、国会法に規定する内閣総理大臣から示された案件に関連のあるものという要件を幅広く解釈し、緊急の必要がある限り、予算関連法案を含め広く発議を行うことができるとの見解
  • 首都直下地震の際に内閣からの緊急集会の求めに十分に応じられるよう、参議院の機能維持に関わる議事堂の強靱化や議事堂が使用不能な場合の代替施設等の整備、併せて緊急集会開催に必要な定足数の確保策等について、参議院を挙げて取り組むことも含めて議論してはどうかとの提案
辻元 清美 君(立憲)
  • 緊急集会の機能について、緊急性のあるものである限り、法律の制定、予算の議決について別段の制限はないと解されており、第177回国会の32本の法律や二度の補正予算の内容については、仮にこれらを緊急集会で対応したとしても問題はないとの見解
  • 大規模な自然災害等の緊急事態には、広範な措置を逐次講じる必要があり、内閣の開催要求時に示す案件も包括的なものにするほかなく、それに応じて参議院議員の議案発議権や質疑、討論等が及ぶ範囲も広範なものになり、国会法101条において内閣総理大臣から示された案件に関連するものとの現行制度で対応可能との見解
  • 首都直下地震などいかなる事態でも、発災から数日以内の緊急集会の開催を可能にしておくために、国会議員関係のBCPも検討しておく必要があるとの見解
  • 立法府の役割は、どんな危機の事態でも、選挙の機会、国民の選択の機会が奪われないようにするためのシステムの構築、公職選挙法の改正や自治体の選挙事務の改善を平時のうちに成し遂げておくことで、この議論をほとんどせずに安易に任期延長をするということは立法府の責任放棄であるとの見解
西田 実仁 君(公明)
  • 緊急集会において補正予算を処理することは当然に認められ、仮に、本予算を議決しないまま衆議院が解散される場合には、まずは暫定予算により必要な措置が講じられ、長期に及ぶ場合には暫定予算の補正により対応することになるが、最終的には、本予算についても、内閣の専断を抑制し、衆議院が構成されていない間にあっても民主的統制を及ぼすため、全国民の代表と位置付けられている参議院の緊急集会によって決めていかざるを得ないとの見解
  • 大規模な自然災害等の緊急事態においては、内閣が緊急集会開催要求時に示すべき案件も包括的なものにするほかなく、また、被災者や被災事業者のための緊急の立法措置における議員立法の果たす役割は大きく、緊急集会において議員が発議できる議案の範囲も広範に認められているとの見解
  • 首都直下地震の場合に、緊急集会がそもそも開催できるかという参議院のBCPの議論と、選挙困難事態が長期にわたる場合に民主的正統性の観点から必ずしも完璧ではない緊急集会によって対応し続けてよいのかという議論を深める必要があるとの見解
  • 選挙困難事態となるような大災害に見舞われても、選挙人名簿のバックアップや郵便投票の拡大、ネット選挙の導入などにより、できるだけ速やかに選挙が実施できるように検討していくことが大事であるとの見解
片山 大介 君(維教)
  • 長期の緊急事態に、緊急集会にフルの国会の役目を負わせようとする解釈は過剰な役割を負わせるものであり、また、70日以上の緊急集会が認められるとした場合、憲法に、いつまで可能かについての規定がなく、内閣の恣意的な運営を許容することにもなりかねないとの見解
  • 緊急集会において、東日本大震災に関して講じられたような多様な法律や補正予算を成立させることができるか、また、特に参議院のみで本予算を成立させることができるかは、緊急集会が二院制の例外であるという観点からも疑問であるとの見解
  • 緊急集会で取り扱える案件は内閣があらかじめ示した緊急の必要がある案件に限られており、包括的に対応することは想定されていないと考えるべきとの見解
  • 衆議院選挙が実施困難な上に、参議院議員も任期を迎えて半数しかいないことも想定しておくべきであり、衆参合わせて713名の定数の中、緊急事態を乗り越えるに当たって、参議院議員が124名しか存在しない緊急集会と、任期延長で衆参が機能している国会を比べたとき、後者の方が立憲主義と国民主権にかなうとの見解
大塚 耕平 君(民主) 
  • 衆議院解散後に発生した緊急事態において、衆議院議員の任期延長が制度として確立していない前提で善後策として考えられるのが、緊急集会において、解散された衆議院の前議員を当分の間、衆議院議員に復帰させることを認める特別法を制定できるか否かという点であり、平時ではない緊急事態を想定する上ではこうした権能についても議論しておくべきとの見解
  • 大規模災害に伴う緊急事態に至る原因の類型は、地震、気候変動等の自然災害、武力攻撃、テロ等の安全保障上の危機、感染症等の公衆衛生上の危機の3つが想定されるが、緊急集会における参議院の権能を考える前提として、緊急事態の原因はこの3類型でいいか否かも共通認識を醸成する必要があるとの見解
  • 緊急集会の権能を考える場合、他国の事例を参考にしつつ、事前にそうした仕組みをつくることが難しければ、緊急事態発生後に、例えば内閣総理大臣や内閣及び政府の特別権能を認めることを緊急集会が決め得るか否かということを議論しておく必要があるとの見解
  • 緊急事態対応は迅速を要することから、緊急集会が平時と同じ手続や所要時間を想定するのでは意味がなく、その点を勘案すると、緊急集会は総理大臣に緊急事態対応に必要な全権を委ねるとともに、緊急集会又は新たな衆議院議員誕生後の国会全体で事後チェックを行うことを定めるのも一案であり、憲法審査会では、その両者のバランスについて議論をしておく必要があるとの見解
山添 拓 君(共産)
  • 少なくとも首都直下地震との関係では政府も国会もあくまで業務の継続が目指されており、仮に衆議院議員が不在の場合には緊急集会で対応し、選挙に必要な業務も継続した上で、なるべく速やかに総選挙を実施できるよう追求すべきとの見解
  • 東日本大震災の発災後にとられた立法措置の中には、一般制度化された例も複数あり、今後の災害で当時と全く同じように応急の立法措置が必要となるわけではなく、一般制度化に至っていない制度も重要な先例として蓄積されているとの見解
  • 災害発生時に住民と直接接し、被災地域の実情にも通じている地方自治体の人的、財政的体制の強化こそ政治に求められ、災害を口実になされる緊急時対応の改憲論は、被災の実情と被災自治体の経験や要望を踏まえない空論であるとの指摘
山本 太郎 君(れ新)
  • 憲法審査会を開く目的は憲法改正議論を促進するためか否かの確認
  • 緊急集会は、長期的な任期を保障され、熟議に適した性格を持つ参議院によって非常時の国会機能を担保する二院制の趣旨に即した制度であり、参議院では理性的で理想的な憲法議論を行う努力を積み重ねてきたが、その傍らで、衆議院が推進している選挙なし衆議院任期延長案は、一言でいえば参議院の権限の侵害、二院制の骨抜き案であるとの見解
  • 参議院の権限の根幹に関わる問題について、衆議院憲法審査会の議論の暴走、一部委員で条文作成することなどに対し、参議院の軽視であることを明確に批判する声明発出の要請
高良 鉄美 君(沖縄)
  • 沖縄では日本の終戦、敗戦から1か月程度で選挙をしており、緊急事態であれ選挙は可能であることの一例を示しており、緊急事態を理由にした憲法改正の本当の必要性の有無を考えてほしいとの見解
  • 憲法53条では、いずれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば臨時会を開かなければならないと召集の要求をしているが、肝腎の内閣はそれをやらなかったことが三度あるのに、どうして緊急事態のことをこれだけ言えるのかというのは問題との見解
  • これまで2回開かれた緊急集会はいずれも衆議院の解散中であったが、それに限らないということは確認をされているとの見解
  • たくさんの法律が既に存在し、緊急事態の対処の立法府の制度は存在しており、どうしても憲法改正による必要性はないということで、憲法事項と法律事項をきちんと分けるべきとの見解
吉井 章 君(自民)
  • 緊急集会において審議の対象となる法案や予算の範囲について、内閣が示した案件に関連する範囲内で特別会の召集を待つことができない即時に対応すべきものであれば広く認めてよいが、衆議院や内閣との関係を大きく変えることまではできず、その関係では限定的に考える必要があるとの見解
  • 緊急集会において議員が発議できる議案の範囲について、内閣が示した案件に関連するものという限定の中で、国権の最高機関である参議院の位置付けと緊急集会の趣旨を踏まえるならば、事実上広く解釈できるとの見解
  • 緊急集会を意識した参議院のBCPについて、政府のBCPも参考にしながら、議論を深める必要があるとの見解
窪田 哲也 君(公明) 
  • 衆議院憲法審査会で議員延期延長のための憲法改正論議が進んでいるが、民主的正統性から、まずは緊急集会の在り方について参議院自らが議論を深めるべきあり、一、憲法に定める国の緊急の必要があるときの範囲、二、大災害時の議員の参集の可否、通知方法、三、オンライン活用の可能性などの論点を整理する必要があるとの見解
  • 国権の最高機関である国会が二院制を取り、かつ、参議院に緊急集会が規定されている以上、その実効性を担保することが重要であり、今後、参議院全体のBCP策定に向けて議論を急ぐことが重要との見解
古賀 千景 君(立憲)
  • 改憲会派は、いわゆる30日ルールの衆議院の優越がある予算と条約は緊急集会の権能外としながら、いわゆる60日ルールがある法律については緊急集会の権能内としているが、緊急集会は衆議院不在の際の国会代行機関であり、その権能の範囲と衆議院の優越は本来関係がなく、その主張は一貫性を欠くという意味でも暴論との指摘を免れないとの見解
  • 改憲派は、予算や条約を議案として扱えるスーパー緊急集会にすることには憲法改正が必要という、独自の主張を唱えるなどしているが、国会議員には憲法尊重擁護義務があり、憲法改正の議論をするにしても、既存の憲法規範を立法事実や制定趣旨を無視して好き勝手に曲解することは許されないとの見解
  • 衆議院憲法審査会では、議員任期の延長改憲のための条文の起草委員会設置、要綱案作成が主張されているが、憲法前文を学んでいる子供たちから見て恥ずかしくない憲法議論を実施するため、任期延長改憲の過ちを私たち良識の府の存在に懸けて正さなければならないとの見解
福島 みずほ 君(立憲)
  • 衆議院憲法審査会において、起草委員会の設置や要綱案作りが提案されているが、緊急事態条項、国会議員の任期延長の問題点が十分理解されているとは思えず、これは参議院の否定であり、緊急集会を日本国憲法が規定した意味の理解がとりわけ衆議院で極めて不十分であるとの見解
  • 日本国憲法が緊急事態条項を設けなかったことについて、金森大臣は衆議院帝国憲法改正案委員会で、民主政治の徹底と十分な国民の権利擁護の観点から、明治憲法の非常大権のような政府の一存において行う処置は極力防止しなければならないとして、臨時会と緊急集会に言及しており、国会無視と選挙の停止を許してはならないとの見解
  • 緊急集会に対する暴論に基づく任期延長改憲のための衆議院憲法審査会の起草委員会の設置、要綱案の作成は参議院の否定ではないかについて、本審査会及び幹事会で徹底議論することの要請
臼井 正一 君(自民)
  • 緊急対応に必要な範囲であれば、内閣の提示する審議の対象に範囲はなく、緊急集会もそれに応え得る体制を整えなければならず、また議員が発議できる議案の範囲に関して、首都直下地震等の大規模自然災害に対応するために必要な議案であれば、国会法に規定する内閣総理大臣から示された案件に関連のあるものという要件を幅広く解釈し、予算関連法案を含め広く発議を行うことができるとの見解
  • 公共交通機関が機能不全になることも想定される中で、我々参議院議員の参集方法を含む院としてのBCPは早急に整備されるべきであり、また、事務局BCPにおける議員の安否確認方法について、衛星電話の事前配付等を含め、あらゆる方法で整える必要があるとの見解
  • 諸外国の例なども調べながら、大規模災害時のような非常事態、緊急事態時の解散権はどうあるべきか、そのときの緊急集会の役割はどうなるのかという点についても議論していくことは大切であるとの見解
猪瀬 直樹 君(維教)
  • 日本維新の会は緊急事態条項の創設を含めた5項目について既に条文案を示しており、条文案の起草について、一致点のある野党会派が与党側と具体的な議論と協議が進められるよう、憲法審査会長が指導力を発揮するよう求めるとの要請
  • 憲法審査会の審議時間を十分に取り、定例日にこだわらず開催回数を増やし、国会閉会後も審査会を開会し、岸田総理の言う任期中、すなわち今年の9月末までに参議院としても結論を得るよう、審査会としての責任を果たすよう、また、憲法審査会長の役割は議事進行に関する事項のみだという取決めが憲法審査会が発足したときにあったかどうか検証するよう憲法審査会長に求めるとの要請
小西 洋之 君(立憲)
  • 本日、佐藤委員、西田委員が示された見解は、衆議院における任期延長改憲の根拠である、緊急集会は限定された平時の制度である等の主張を事実上否定されるものだと思うとの見解
  • 次回、憲法審査会が開かれるのであれば、片山大介委員、猪瀬委員は、緊急集会は限定された平時の制度である等の解釈がなぜ取れるのかについて真っ正面から是非議論をしていただきたいとの見解
  • 改憲派の集会における岸田総理の改憲について選択肢の提示すら行わなければ責任の放棄と言われてもやむを得ないなどのメッセージは、参議院の憲法審査会をある意味侮辱するような発言であり、憲法審査会でのしっかりとした議論を会長に求めるとの要請

※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。

令和6年5月15日(水)第3回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について(参議院の緊急集会について))
【川崎参議院法制局長及び事務局当局の説明骨子】
川崎参議院法制局長
  • 緊急集会の趣旨、緊急事態法制と緊急集会の位置付け、災害対策基本法の災害緊急事態における対応の流れと緊急集会の論点等
憲法審査会事務局当局
  • 法規、先例に基づく緊急集会の主な流れ
【主な発言項目】
片山 さつき 君(自民)
  • 緊急集会は、災害対策基本法などで、我が国が大災害等に見舞われた際の緊急的な措置の枠組みの中に、総選挙により衆議院議員が選出され国会が召集されるまでの間、できる限り民主政治を徹底しながら、両院同時活動原則の例外として、暫定的な処理を可能とする制度として組み込まれているとの見解
  • これまで緊急集会は災害対策基本法などが成立する以前の平時での開催しか事例がないが、今後、大規模自然災害等が発生したときに機能しないということは回避せねばならず、あらゆる事態を想定しながら、緊急集会がしっかりと機能するよう、法制面や実効面などから検討すべき事項を全て洗い出す必要があり、そのためにシミュレーションを通して早急に確認すべきとの見解
  • 緊急集会が衆議院議員不存在時の大規模自然災害時の事態に迅速に対応するためには、論点についてこれまでの議論の中で出された各会派の意見を整理し、それを踏まえて参議院憲法審査会としての考えを明確にして、議論を前に進めていく段階に今やあるとの見解
小西 洋之 君(立憲)
  • 衆議院議員任期満了の際における緊急集会による災害対策基本法等に基づく緊急政令などへの統制は、現実の緊急事態対応として憲法審査会の責任においてその解決を図るべきものとの見解
  • 緊急政令規定を含む法律を参議院の議員立法によって法改正し、衆議院議員任期延長の際の緊急集会の統制を明確に条文上も位置付けるべきであり、万が一その法改正が間に合わない場合には、解釈によって任期満了の際も緊急集会の統制を働かすことができるのか、議論の必要があるとの見解
  • 緊急集会の運用に関し、議員版のいわゆるBCPに属する事項の検討などについて議論を深めることは有意義であるとの見解
伊藤 孝江 君(公明)
  • 緊急集会は、国会法及び参議院規則において所定の規定の整備がなされているほか、過去2回の先例を踏まえた先例録も整備されており、これらにのっとった手続及び運営を通じてその権能が発揮されるとの見解
  • 緊急集会は、憲法制定時に衆議院の任期満了を意図的に外したわけではないこと及び衆議院の不存在という点において解散と根本的な差異はないこと等から、衆議院議員の任期満了による総選挙の場合にも開くことができるとの見解
  • 緊急集会が開催される状況において参議院議員の全部ないしは一部が議場に参集することが困難であることを想定し、一定の要件の下でオンラインによる出席、国会審議や採決に参加できる制度を創設することの検討が必要との見解
柴田 巧 君(維教)
  • 衆議院の任期満了の場合にも緊急集会を類推適用できるという意見があるが、仮にそうだとしても、緊急集会は、直後に衆議院の議決を求めることから、近いうちに国政選挙を通常どおりに行える程度の状況を前提としており、長期にわたる緊急事態が発生し、選挙の一体性が害されるほどの広範な地域において選挙の適正な実施が70日を超えて困難であることが明白な場合には、緊急集会だけでは対処が極めて困難との見解
  • 緊急集会で議員が発議できるのは、内閣の請求の際に総理が示した案件に限られ、長期にわたる緊急事態が生じた場合、当初想定した案件のみを議論するだけでは足りず、参議院が包括的に対応することは想定されていないとの見解
  • 国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは、まさにブラックジョークであり、国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは、国会議員に課せられた重大な責務であるとの見解
礒崎 哲史 君(民主)
  • 緊急集会はあくまで臨時の措置であり、その権能、議員発議の範囲は限定的であるべきとの立場から、予算については、臨時の予算編成のみとし、また、衆議院の同意がない状態での繰り返しの議決も望ましくないとの見解
  • 緊急集会の期間については上限を設けるべきであり、70日が妥当だが、70日以上とする場合は具体的な条件を定めておくことが必要であり、緊急集会の権能の範囲や議員が発議できる議案の範囲を踏まえた整理が必要との見解
  • 衆議院議員の任期満了の場合にも、緊急集会を開けるよう考え方を整理しておくことが重要であり、具体的には、憲法を改正するか、憲法審査会で意見をまとめ、解釈として整理すればよいか等についての論点整理を要望するとの見解
山添 拓 君(共産)
  • 緊急集会制度は、憲法制定議会における経緯や、国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動するという憲法前文をも踏まえると、緊急時であっても民主的に選ばれた議員によることを要求するものと理解するべきとの見解
  • 最高裁判決は、選挙権の制限はやむを得ないと認められる事由がなければならないとしており、緊急集会は民主政治の徹底を趣旨とすることも踏まえれば、緊急集会が必要となる事態においても、できるだけ速やかに衆議院議員の総選挙を実施し、選挙権行使を可能にした上で、民主政治の徹底を万全にすることを要求するのが憲法の趣旨との見解
  • 総選挙を広範囲で実施できない期間が長く続くことを殊更想定し、選挙権の制限を正当化する衆議院議員の任期延長論は、国民主権の基本を踏まえないものであり、総選挙をいかに速やかに実施できるようにするかの法整備の必要性や内容は議論に値するが、改憲の材料にするのは不当であり、必要でもないとの見解
山本 太郎 君(れ新)
  • 自民党に、緊急集会は平時の制度なのでこれと別に緊急事態条項が必要との主張があるが、この認識は間違いであり、日本国憲法に緊急時の制度がないと結論付けるのは飛躍が過ぎるとの見解
  • 1946年、当時の憲法担当であった金森大臣は、緊急集会がまさに緊急時のための制度だと述べており、実際に、武力攻撃事態・存立危機事態対処法9条でも、緊急事態の国会承認のために緊急集会を活用することを規定しており、緊急集会は緊急時のための制度であると解釈することに無理はないとの見解
  • 緊急集会ではフルスペックの国会機能が果たせないので衆議院議員の任期延長が必要であるとの意見もあるが、この提案は、国民に選ばれてもいない議会にフルスペックの権限を与えようとする危険なアイデアであるとの見解
高良 鉄美 君(沖縄)
  • 緊急集会の制度は、国家権力の濫用を抑え、緊急のときには参議院だけでも民主的に国会の権能を行わせるものであり、人の支配ではなく法の支配でなければならないことを意味するとの見解
  • 衆議院の議員任期延長の問題について、権力が目的のために自ら憲法を変えるのは、法の支配にもとるものであるとの見解
  • 緊急の際に国家緊急権により一時的に憲法を止めるとしても、それは憲法を守るための憲法保障の一種であり、法の支配の視点から捉えるべき問題であるとの見解
和田 政宗 君(自民)
  • 緊急集会は大災害時等の緊急時や、長期間の選挙困難事態への対応を想定した制度ではなく、衆議院が解散されているときに大災害が発生した場合、緊急集会を70日を超えて開催する場合に違憲の疑いがあるとの提起が行われる可能性が強くあるとの見解
  • 参議院においても、大災害時等に国民を守るため、70日の制約を取り払い、かつフルスペックの国会の権限を行使できる緊急集会について、衆議院憲法審査会で提起されている国会議員の任期延長案の内容を含め、議論を重ねていくべきとの見解
  • 憲法に緊急事態条項を定めなければ、極端な政権が生まれた場合、英米法的解釈から、現行憲法では緊急事態時には何でもできると主張し実行する可能性は排除できないとの懸念
打越 さく良 君(立憲)
  • どのような事態が起きても憲法が採用した国会中心主義を維持できるよう、備えを講じておく必要があり、そのために緊急集会という優れた仕組みが用意されているとの見解
  • 国会中心主義及び権力の抑制と均衡の観点から、衆議院議員の任期満了による総選挙の場合にも、国に緊急の必要があるときは内閣は緊急集会を求めることができると解するのが適当であるとの見解
  • 特別会召集までの70日という日数については、現在の民意を反映していない従前の政府がそのまま政権の座に座り続けることのないようにという趣旨であり、緊急集会の期間が限定されているかのように見えるのは派生的な効果にすぎず、70日を超えて緊急集会を認めることはできるとの見解
塩田 博昭 君(公明)
  • 憲法に緊急政令に類する規定を創設すべきとの意見について、緊急集会制度が旧来の緊急勅令制度の言わば代替として規定された制定経緯や、緊急集会の関与を含め、充実した緊急事態法制が既に整備されていることを踏まえれば、これらの個別法の政令委任等で対応することが可能との見解
  • 緊急集会の手続及び運営について、国会法、参議院規則、先例が既に整備、整理されているが、さらに、緊急集会はどこまで、それも長期にわたって国会の機能を代行可能か、本院として検証すべきであり、具体的な想定に沿った論点整理を多角的に行うべきとの見解
  • 選挙困難事態における国会機能維持に関し、民主的正統性を確保するには選挙を実施することが肝要であり、緊急集会と繰延べ投票で対応することを基本とすべきとの見解
熊谷 裕人 君(立憲)
  • 総理大臣を始め内閣に万が一のことがあった場合でも緊急集会がしっかりと機能するため、参議院と内閣のBCPについて議論し、策定が必要になるとの見解
  • 平時において、衆議院議員の任期延長を議論する前に、非常時の我が国の在り方に関する緊急集会について大いに議論をしておくことこそが憲法審査会の任務との見解
田中 昌史 君(自民)
  • 緊急集会は両院同時活動原則の例外であり、衆議院議員が不在となり、総選挙を経て、最大70日後に両院同時活動が復することを前提とした制度であるため、70日を超えることは想定すべきではないが、衆議院議員の任期満了による場合の緊急集会の開催については可能であるとの見解
  • 首都直下地震などの大規模災害、我が国への武力攻撃などで国会機能が失われる緊急事態が発生した場合、国民の命を守るための迅速で果断な対応を緊急集会という暫定措置のみに委ねるのではなく、衆議院議員の総選挙が長期にわたり開催できないことが予測される場合には、両院同時活動原則を踏まえ、国会議員の任期の特例を含む緊急事態条項を憲法に明記すべきとの見解
  • 大規模災害、テロや武力攻撃などの有事は、国会の開会、閉会にかかわらず発生する可能性があり、対応の緊急性に加えて、損害の状況によっては国会を開会できない事態となる場合も想定し、憲法に緊急政令を明記すべきとの見解
浅田 均 君(維教)
  • 緊急集会には、明らかに不備があり、現行法制では想定できていない不測の事態により両院が存在できなくなってしまった場合、従前の政府がどの程度の期間、正統性を維持できるのかとの疑問の提起
  • 立憲主義を守るためには、緊急事態においても憲法の規律を及ぼす必要があり、国家権力の行使が超法規的措置にならないよう、緊急事態の行為も法の支配下に置く必要があるとの見解
  • 国家の基本的な役割である国民の生命、財産、自由を守ることを現行憲法ができるのか考える必要があり、まずは緊急事態条項にテーマを絞り、審議を進めるべきとの見解
福島 みずほ 君(立憲)
  • 緊急集会は、一時的、限定的、暫定的制度であるとの理由で議員任期延長論が衆議院で主張されるが、緊急事態に対処する際には、臨時の暫定的措置にとどめることが、緊急事態の恒久化や行政権力濫用を防ぐために重要との見解
  • 緊急集会の性質と比較した場合、現在主張されている衆議院議員の任期延長の憲法改正案は、できる限り早期に総選挙を実施しようとするインセンティブが働きにくく、憲法の基本原則に反し、不必要で危険であり、緊急事態条項を憲法改悪で実現する布石ではないかとの懸念
  • 緊急政令は国会は唯一の立法機関という憲法41条を踏みにじり、緊急財政処分も国会の予算の承認権を侵害するものであり、災害時には繰延べ投票が可能であることから、憲法を変える必要はないとの見解

※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。

令和6年5月8日(水)第2回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(憲法に対する考え方について)
【主な発言項目】
佐藤 正久 君(自民)
  • 衆議院議員の任期満了時においても内閣の求めに応じて緊急集会を開き得るとの見解
  • 緊急集会の期間について、緊急集会が両院同時活動原則の例外であることからすれば、70日を超えていつまでもということは想定できないが、緊急集会の責務は非常に重いことを認識すべきとの見解
  • 緊急集会において議員が発議できる議案の範囲について、内閣が示した案件に関連し、かつその施行のために特別会の召集を待つことができない程度の即時に対応すべきものに限られるものの、その範囲内で広く認めてはどうかとの見解
  • 大規模自然災害等発生時に備え、緊急集会の迅速な開会に向けたシミュレーション及び参議院の首都直下地震BCPの検討の必要性
辻元 清美 君(立憲)
  • 憲法論議を進めるにあたって最も大事なことは政治への国民の信頼であるが、現在の政治は、自民党の裏金事件によって国民からの信頼が大きく毀損されているとの見解
  • 世論調査を見ても、岸田総理の在任中の憲法改正について機運は高まっておらず、岸田総理が憲法について条文化を促す発言をすることは、総理大臣としての越権行為であるだけではなく、裏金事件を引き起こした自民党の責任者である自らのけじめも付けることなく、憲法について語る資格はないと多くの国民が見ている結果の数字であるとの見解
  • 裏金事件で失われた国民の政治への信頼と憲法改正論議の正当性は決して切り離せない関係にあり、国民の信頼回復なくして憲法論議はなく、憲法論議を進めたいのであれば、本来であれば選挙で選び直された議員で行うべきというのが多くの国民の思いであるとの見解
  • 世論調査では、生成AI等が選挙などに及ぼす影響への懸念が強まっていることが読み取れ、憲法をめぐる国民投票についても深刻な影響が考えられるため、憲法審査会では、国民投票や選挙に及ぼす生成AIなどの影響等についての議論が急務との見解
西田 実仁 君(公明)
  • さきの憲法記念日に合わせて実施された読売新聞及び朝日新聞の世論調査だけを見ても、憲法に位置付けられた参議院の緊急集会について、参議院の側でもっと議論を深めなければならないとの見解
  • 災害時に緊急事態が発生した場合に緊急集会は本当に国会の機能を代行できるのか、それも長期にわたって代行可能なのかという検証、緊急集会の流れと関連する論点の整理を参議院として行うべきとの見解
  • 大規模災害、感染症の蔓延といった緊急事態における選挙実施困難事態とはどのような事態なのか、現行法において認められている繰延べ投票制度と併せて議論を深める必要性
  • 参議院は半数改選制により定数の半数であってもその継続性、安定性が現行憲法によって確保されており、参議院の通常選挙において仮に選挙実施困難事態となっても、任期の延長は不要であり、繰延べ投票の活用によりできるだけ早期に選挙を実施すればよいとの見解
片山 大介 君(維教)
  • 参議院憲法審査会の開催が、去年に比べると一か月以上遅い上、衆議院の憲法審査会の初会合からも遅れていることは誠に遺憾であり、裏金問題を追及する必要はあるが、憲法を議論する場に影響するものではなく、衆参の憲法審査会の足並みをそろえ、憲法改正案の発議に向けて結論を出すべき時期を見据えたスケジュールを策定し、項目を絞り込み、建設的な議論を進めていくべきとの見解
  • 首都圏において大規模な災害などが発生した場合、現行憲法の規定では国会機能が維持できるとは限らず、我々が提言している緊急事態条項案、議員の任期延長論や、自民党が挙げた緊急集会の議論を進めるべきとの見解
  • 定例日以外の開催、国民の関心を高めるため憲法審査会の模様をNHKでテレビ中継することを求めるとの見解
  • 国民主権を掲げる日本国憲法が一度も国民の審判を仰いでいないのは大きな矛盾であり、国民の命と暮らしを守るための基本法たる憲法に不断に向き合い、時代に即したものに作り上げていくことは国会議員に課せられた重大な責務であるとの見解
大塚 耕平 君(民主)
  • 憲法の議論に際し、日本国憲法の性質をどのように定義するかという論点が重要であるとの見解
  • 環境権、プライバシー権、知る権利等の新しい人権保護に関し、現行憲法がどこまで対応可能か、人権保護と公益保護のための人権制限とをどのようにバランスさせるかが重要な論点であるとの見解
  • 狭義の安全保障及び憲法9条に関し、解釈による弾力的過ぎる対応が同条の規範性を不明瞭にしていること及びサイバー、エネルギー、食料等に至る総合的な安全保障に関する憲法の明確な規定の不在に対する懸念
  • 統治機構、憲法裁判所に関する議論が必要との見解
山添 拓 君(共産)
  • 国民世論が改憲を求めない中、憲法審査会を動かすべきではないとの見解
  • 岸田総理が、総裁任期中に改憲を実現したいと繰り返し、施政方針演説で条文案の具体化を進め議論を加速するとまで述べたことは、行政府の長が国会審議の進め方に介入し、憲法尊重擁護義務に反して改憲論議を国民と国会に押し付けることであり、言語道断との見解
  • 自民党の裏金事件は、犯罪行為で、国民を裏切るものであり、民主政治の土台を揺るがす事態を招いた法律を守れない議員に改憲を語る資格はないとの見解
  • 岸田政権は、敵基地攻撃能力の保有の解禁、殺傷兵器の輸出の解禁など、70年来の日本の安全保障政策を根底から覆し、踏みにじっているとの見解
山本 太郎 君(れ新)
  • 既に現行憲法は緊急時も対応できる内容であるとの見解
  • 現在の国会議員、国会の在り方こそが日本における憲法問題との見解
  • 国会自体が憲法違反の存在に成り下がったのは、自民党だけの問題ではなく、野党側にも問題があることは明らかであるとの指摘
  • 憲法改正を語る前に現行憲法を守るべきであり、被災者支援における諸課題を解決する等やるべきことがあるとの見解
高良 鉄美 君(沖縄)
  • 現状の憲法審査会は憲法改正を目的に常任の調査、審査をする機関として位置付けられているが、憲法制定権力は国民にあり、憲法改正権力自体が元来国会にあるわけではなく、憲法審査会が憲法より上位にあるかのように網羅的に憲法条文の改憲を模索することは憲法構造上いびつであるとの見解
  • 憲法99条では、総理を含む国務大臣、国会議員などに憲法尊重擁護義務があることを定めており、仮に憲法に違反する行為等を権力者が行った場合には、国の唯一の立法機関である国会が政府の行為が憲法に違反しないかを議論するが、現在の憲法審査会はそうなっていないとの見解
  • 現状の憲法審査会は、国家権力による憲法改正事項の発掘をしているような様相に見えるが、改憲の必要性が国民から沸き上がり、それに応えるための合議体を設置し、議論するのが本来の筋であるとの見解
  • 立憲主義は国民の基本的人権などを守るため、国家権力を憲法によって制約することであるが、国家権力が憲法の制約を緩めるための方法を常時模索している憲法審査会の形は問題があるとの見解
加藤 明良 君(自民)
  • 参議院では、昨年、緊急集会及び合区解消についての議論が繰り返し行われたが、さらに緊急事態条項、自衛隊の憲法明記についての審議などの積み重ねを求める見解
  • 緊急集会は、国会の制度の重要な補完機能であり、この補完機能の充実強化、論点整理、様々な議論の積み重ねにより、緊急集会の議論の様々な問題点について、更に憲法審査会での議論を深め、各委員の建設的な意見の取りまとめを期待するとの見解
小沢 雅仁 君(立憲)
  • 自民党の裏金問題について、いまだ全容解明に至っておらず、選挙犯罪によって議席を得たのであれば憲法43条の趣旨に反すると言わざるを得ず、法律を守らず憲法の趣旨を逸脱している議員を多く抱えている自民党に憲法改正を述べる資格はないとの見解
  • 地方自治法改正案について、地方自治の保障も権力分立原理の一種であり、本案は憲法92条の趣旨に沿わない懸念があり、地方自治法もこの憲法審査会のテーマとすることの要請
山本 啓介 君(自民)
  • 憲法への自衛隊の存在の明記という国民の要望を実現すべきとの見解
  • 数年間にわたって国政選挙を実施できない事態の発生に備えた緊急事態条項の整備が必要であるとの見解
浅田 均 君(維教)
  • 憲法は公権力を縛るルールであるが、地方自治について、合計4条しかなく、また、文言が概括的で、規律密度が低いため、権力への統制力が弱いとの見解
  • 今国会で審議されている地方自治法の改正案については、国が自治体に指示できる特例ではなく、自治体が国に要請できる特例を盛り込むべきであるとの見解
  • 自治体を人口規模にかかわらず一くくりにし、仕組みも仕事も同一とすることが、住民の享受する福利の観点から公正なのかについて、憲法審査会で議論すべきとの見解
窪田 哲也 君(公明)
  • 衆院東京15区補欠選挙における選挙の自由妨害は、過去の最高裁判決によれば表現の自由を盾に容認されるべき行為ではなく、現行法を厳格に適用した上で、必要があれば公職選挙法改正の検討も視野に規制を強化し、選挙という民主主義の基盤を守るべきとの見解
福島 みずほ 君(立憲)
  • 現在の国会は憲法改正を発議できるような正当に選挙された国会とは言えず、裏金問題で法律を守らない自民党議員に憲法を変える資格はないとの見解
  • 憲法9条の平和主義の破壊や、同性婚を認めないこと、緊急事態条項の創設等の憲法違反をなくし、憲法を生かしていくことこそ憲法審査会でやるべきとの要請
山本 佐知子 君(自民)
  • 緊急集会は参議院に与えられた重要な役割だが、70日を大きく超えてもなお緊急集会を当然に認めることができると現憲法から読み取ることは難しく、権能の範囲については様々な解釈がある中で、緊急集会が本来の国会機能と完全に同等と考えるには無理があるため、その権能を明確化し、緊急時の立法府の在り方について議論を深めることが必要であるとの見解
  • 緊急集会、議員任期延長も含めた緊急事態条項について真摯な議論を国会で行うことが国民への責務であり、憲法審査会では、緊急集会について既に議論を重ね、論点も明確になっており、具体的な目標をもって議論を進めるべきとの意見
仁比 聡平 君(共産)
  • 同性婚を認めない現行民法及び戸籍法に対する違憲判決が積み重なってなお、極めて慎重な検討を要すると背を向け続け、特定の家族観を人々に押し付け苦しめる政府・与党に憲法改定を語る資格はないとの見解
  • 国が負う、水俣病患者救済の重い責任に対する政府、与党の自覚の欠如、また一年前の改悪入管法の根底にある底深い外国人差別と排外主義といった人権後進国の現状を脱すべきとの声を受け止め、憲法の実現に力を尽くすべきとの見解
若林 洋平 君(自民)
  • 憲法について主権者である国民にとって不利益な部分を改定していくのは当然のことで、緊急事態条項や参議院の緊急集会について、いざというときに選択ができるようにしておくなど、国民にとって不利益な部分があれば直すべきとの見解
石川 大我 君(立憲)
  • 同性同士の婚姻を認めない現状は、憲法24条1項の婚姻の自由などに反し、違憲と判断した札幌高裁判決を踏まえ、憲法審査会において、婚姻の平等をテーマとして、各会派が意見を述べる場や当事者、研究者などから広く意見を聴取する場を作るべきとの要請
  • 婚姻の平等について無視し続ける自民党に政権担当能力はないとの見解
小西 洋之 君(立憲)
  • 国会法の改正によって、参議院から立法府として求める議題や議案を内閣に促すような緊急集会の機能強化ができるのではないかとの提案
  • 緊急集会をつくった立法趣旨に照らせば、求められていることはどのような事態でも一日も早く選挙を実行することであり、そのための公職選挙法改正や自治体の運営について議論をすべきとの提案

※上記発言項目は事務局において適宜抜粋し作成しております。発言の全体内容及び詳細については会議録を御参照ください。

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