平成26年5月26日(月) 第4回

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日本国憲法の改正手続に関する法律の一部を改正する法律案(衆第14号)

【参考人の意見骨子】

徳山工業高等専門学校准教授
 小川 仁志 君
  • 選挙権年齢等の18歳への引下げについては、我が国の18歳の判断能力の有無が問われるべきであり、参政権が18歳なら民法の成年年齢も18歳が望ましいとの見解
  • 公務員の政治的行為については、自由かつ幅広い議論の確保が必要であり、規制は限られるべきとの見解
  • 国民投票の対象拡大については、代表民主制では不都合が生じる場合に限られるべきで、憲法第41条を踏まえ諮問的な効果にとどめるべきとの見解
  • 社会の問題について1人1人が意見を言える公共的社会の実現には、熟議をベースとしたシティズンシップ教育が必要との見解
慶應義塾大学名誉教授
弁護士
 小林 節 君
  • 投票権年齢の引下げについては、18歳が国際標準という以外に積極的理由はないが、国際化が進んでいる中で国際標準であることには意味があり、また、投票権者の母集団が広がることはメリットであるとの見解
  • 公務員の政治的行為については、選挙と憲法改正国民投票は本質が異なるものであり、後者においては、基本的に公務員の身分でも一個人として賛否の表明は許容されるとの見解
  • 国民投票の対象拡大については、多用すれば議会制民主主義の役割放棄につながるため相当慎重な検討が必要であり、大きな争点ほど政治が責任を持って決めるべきとの見解
東京慈恵会医科大学教授
 小澤 隆一 君
  • (投票権年齢について経過措置を定めている)憲法改正手続法附則第3条第2項は執行できない状態にあり、執行を可能にするには別に立法措置が必要との見解
  • 改正案では、選挙権年齢の18歳への引下げが法的に担保されておらず、国民投票の投票権が付与された者に選挙権が与えられない事態が長期間にわたって生じる可能性があり、憲法第15条に違反する蓋然性があるとの見解
  • 公務員の政治的行為については、平成24年の最高裁判決に留意して慎重に検討すべきであり、組織的勧誘運動の規制は不明確との指摘及び特定公務員については禁止の合理性を個々に検討することが必要との見解
愛媛大学法文学部総合政策学科教授
 井口 秀作 君
  • 投票権年齢を20歳以上とする例外的措置を4年間延長することは制度後退であって、憲法第96条第1項の「国民」の範囲を18歳以上に確定している憲法改正手続法第3条が軽視されているとの見解
  • 純粋な勧誘行為及び意見表明についての国家公務員法等の特例を定める規定(第100条の2)の要件の不明確性及び公務員法制自体を考える必要性の指摘
  • 解釈改憲の動きがある今の政治状況は、国民の手から憲法を奪おうとしている状況であるとの見解

【発言者】

北村 経夫 君(自民)

有田 芳生 君(民主)

佐々木 さやか 君(公明)

川田 龍平 君(維結)

和田 政宗 君(みん)

吉良 よし子 君(共産)

福島 みずほ 君(社民)

浜田 和幸 君(改革)

【主な発言項目】

  • 国民投票運動における公務員の政治的中立性
  • 公務員組織により行われる勧誘行為等に対する罰則の創設の必要性
  • 国民投票と憲法第96条改正の関係
  • 閣議決定による憲法第9条の解釈変更と憲法第99条の関係
  • 投票権年齢を18歳にすることへの評価及び成年年齢・選挙権年齢と投票権年齢が一致しない場合の問題点
  • 18歳、19歳の政治意識を高める方法
  • 投票権年齢を18歳に引き下げた後、成年年齢・選挙権年齢を16歳に引き下げることに対する評価
  • 公務員の政治活動の自由を世界標準にすることの評価
  • 我が国の平和を守る観点からの憲法第9条改正
  • 集団的自衛権の行使を憲法解釈の変更で認めることに対する見解
  • 18歳、19歳の参政権の在り方
  • 公務員の国民投票運動においてグレーゾーンに当たる事例
  • 集団的自衛権、解釈改憲及び安保法制懇に対する見解
  • 憲法改正手続法改正案だけでは未完成で国民投票は実施できないことの確認
  • 政治教育で真実と嘘を見分けるための哲学的手法
  • ネット民主主義、ネット政治の可能性

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