第183回国会(常会)

平成25年6月12日(水)第6回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「新しい人権」)
【発言者】
藤本 祐司 君(民主)、中川 雅治 君(自民)、西田 実仁 君(公明)、松田 公太 君(みん)、はた ともこ 君(生活)、井上 哲士 君(共産)、亀井 亜紀子 君(み風)、福島 みずほ 君(社民)、水戸 将史 君(維新)、舛添 要一 君(改革)、足立 信也 君(民主)、前川 清成 君(民主)、松井 孝治 君(民主)
【主な発言項目】
  • 環境権、プライバシー権、知る権利について法整備により権利性を確立する必要性
  • 個人情報の不当取得の禁止、国政上の行為に関する国民への説明の責務、環境保全の責務、犯罪被害者等への配慮、知的財産権を憲法上規定すべきとの意見
  • 原発事故による放射能汚染を踏まえ国の環境保全の責任を憲法に明記する必要性
  • 新しい人権は否定しないが、憲法改正の前にすべきことがあるとの意見
  • 社会情勢の変化等に対応して新しい人権のうち最低限必要なもの、プライバシー権、知る権利、犯罪被害者の権利等を憲法に明記すべきとの意見
  • 現憲法は世界の憲法のうち最も先進的な人権条項を有しており、立法でその具体化が必要であるとの意見
  • 新しい人権のためだけに憲法を改正する必要はないとの意見
  • 新しい人権については法律で対応すべきで憲法改正は不要であるとの意見
  • 新しい人権を含めて人権規定に関し憲法を改正する必要性
  • 新しい人権を憲法に規定することで権利の不可侵性が担保されるとの意見
  • 国際的視点からの環境権に関する議論の必要性
  • 自民党憲法改正草案の「公共の福祉」に関する改正案の問題点
  • 立憲主義の意味合いに関するさらなる議論の必要性

平成25年6月5日(水)第5回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「新しい人権」のうち、環境権、プライバシー権などについて)
【参考人の意見骨子】
慶應義塾大学法学部教授
弁護士
 小林 節 君
  • 新しい人権とは、憲法典の中に直接の根拠はないが、基本的人権として観念し得る利益であるとの見解
  • 新しい人権として環境権、プライバシーの権利、知る権利が考えられるが、環境権は権利・義務へのあてはめが難しく、国の環境維持責務の方がなじみやすいとの見解
  • 憲法改正によらなくても新しい人権は法律で相当程度カバーでき、また、「憲法上の人権リストに限られない」という規定が憲法にあれば、裁判所が人権を確認することが可能になるとの見解
  • 不完全な人間が作るものである以上、憲法は不磨の大典ではなく見直しが必要であり、人権リストへの新しい権利の追加はあり得るとの見解

慶應義塾大学法学部教授
 小山 剛 君
  • 新しい人権は重要であり、憲法改正の場合当然に有力候補となるが、そのためだけの憲法改正は不要との見解
  • 新しい人権の明文化の検討に当たっては、①どのような憲法を望むのか、②基本的人権という形式で記述するのか、別の形式(国家目標規定)で記述するのかを考える必要があるとの見解
  • 人権の普遍的理念性により、最低限の規定があれば個別的自由権・平等権を演繹できることから、現行の人権条項をどこまで簡素化できるかを考えることは有益との見解
  • 憲法には、国家が実現すべき価値や理念を宣明するワイマール憲法型と、法として裁判により貫徹できるドイツ基本法型の2種類があり、どちらの憲法観を選ぶかによって犯罪被害者の権利の扱いなどに違いが出るとの見解
【発言者】
福島 みずほ 君(社民)、片山 さつき 君(自民)、井上 哲士 君(共産)、水戸 将史 君(維新)、西田 実仁 君(公明)、小西 洋之 君(民主)、佐藤 公治 君(生活)、宇都 隆史 君(自民)、前川 清成 君(民主)、亀井 亜紀子 君(み風)、舛添 要一 君(改革)、山谷 えり子 君(自民)、磯崎 仁彦 君(自民)、江口 克彦 君(みん)
【主な発言項目】
  • 憲法第13条、第25条が新しい人権を含むことの確認
  • 「憲法上の人権リストに限られない」という規定を加えることの問題点
  • 新しい人権を改憲の突破口とすることについての見解
  • 人権制限の根拠としての「公共の福祉」の具体的な意味
  • 原発事故による放射能汚染の現状を踏まえた環境権の理解
  • 人権条項の簡素化と人権保障との関係
  • プライバシー権、犯罪被害者への配慮を憲法に規定することの意義
  • いわゆる憲法第96条先行改正論についての見解
  • 裁判との関係から新しい人権を憲法に明記すべきことの確認
  • プライバシー権を憲法に規定した場合の個人情報保護への影響
  • 立法者たちの改憲に向けた様々な動きに対する見解
  • 自民党憲法改正草案を踏まえた憲法の位置付けについての見解
  • 将来世代を意識した国家目標規定がなじむ事例
  • 解釈改憲についての見解

平成25年5月29日(水)第4回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「新しい人権」のうち、基本的人権全般について)
【事務当局の報告骨子】
  • 参議院憲法調査会における新しい人権についての議論の概要
【参考人の意見骨子】
明治大学法科大学院教授
 高橋 和之 君
  • 人権とは何かを考えたとき、憲法13条が「個人として」と定めていることは重要であって価値の根源は個人にあることの指摘
  • 憲法とは国家権力の組織と行使の方法に関する基本的ルールであって、憲法の名宛人は国家であることの指摘
  • 公共の福祉を人権間の衝突の調整原理と解すると、人権とは言い難い対抗利益を人権と主張することにより人権のインフレ化を引き起こすことから、学説上見直しの動きがあることの説明
  • 新しい人権への対応方法は①法律による対応、②憲法改正による対応、③裁判所による「法創造」が考えられる一方、幸福追求権の範囲は学説上未解決であることの指摘

京都大学大学院法学研究科教授
 土井 真一 君
  • 個人の尊重とは人格の尊厳と個性の尊重であって、憲法の中核的原理であることの指摘
  • 日本国憲法における基本的人権の保障は、相当程度行き届いた規定であることの指摘
  • 裁判所が個別の訴訟を通じて解釈により新しい人権を保障することは期待されるが、思い切った判断においては国会の役割が重要との意見
  • 新しい人権の保障については、広範な合意が得られれば憲法改正も考えられるが、法律による実現でもよいのであって、最も効果的で適切な方法を選択することが必要との意見
【発言者】
谷合 正明 君(公明)、井上 哲士 君(共産)、松井 孝治 君(民主)、舛添 要一 君(改革)、福島 みずほ 君(社民)、はた ともこ 君(生活)、小西 洋之 君(民主)、片山 さつき 君(自民)、亀井 亜紀子 君(み風)、増子 輝彦 君(民主)、磯崎 仁彦 君(自民)、江田 五月 君(民主)
【主な発言項目】
  • 改憲の視点は人権保障の拡大と国民主権の徹底であるべきとの考えに対する見解
  • 最近の立憲主義に対する意見に対する見解
  • 立憲主義により拘束される対象に国民も含まれることの意味
  • 憲法13条の「個人として」を守るべきで、「人として」に変えるべきではないとの主張
  • 基本的人権の制限根拠を「公益及び公の秩序」に改めた場合の効果
  • リプロダクティブ・ライツ(女性の自己決定権)を憲法上明確にする必要性
  • 憲法改正要件の緩和と新しい人権を憲法上規定することとの関係
  • 基本的人権を変えるべき理由に日本の歴史や特色が含まれることの説明
  • 憲法における土地の権利と公共の福祉の関係
  • 原発事故による被災者の基本的人権、幸福追求権についての現状認識と解決策
  • 国民の「憲法尊重義務」と公務員の「憲法擁護義務」の違い
  • 「未来に対する共同責務」という新しい切り口で立憲主義と基本的人権の尊重を整理し直すことの可能性

平成25年5月22日(水)第3回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「二院制」のうち、衆参両院の権限配分及び参議院の構成について)
【参考人の意見骨子】
駒澤大学法学部教授
 大山 礼子 君
  • 参議院の独自性のために、(民意を正しく反映するべく設計される)衆議院の選挙制度と異なる選挙制度にすれば、民意から離れた参議院が強い権限を有するという独自性と権限の問題の指摘
  • 拒否権の行使ではなく、充実した審議により参議院は存在感を発揮することが可能との指摘
  • 内閣法案の審査は重要であり、充実した審議のため内閣と国会との建設的対話が必要との指摘

一橋大学大学院法学研究科教授
 只野 雅人 君
  • 憲法上の統治機構はテキストによる縛りのほかに余白の部分も多く、実際に機能する姿には可変性があることの指摘
  • 民主的正統性の強さと議院に与えられる権限の強さは相関関係にあることの指摘
  • 憲法を変えるよりも議会制の運用を見直すべきであり、二大政党制ではなく穏健な多党制(合意型)を志向しながら、参議院が独自性を見出すことが必要との指摘
【発言者】
前川 清成 君(民主)、西田 実仁 君(公明)、井上 哲士 君(共産)、佐藤 公治 君(生活)、舛添 要一 君(改革)、福島 みずほ 君(社民)、宇都 隆史 君(自民)、小西 洋之 君(民主)、藤本 祐司 君(民主)
【主な発言項目】
  • 立法行為における国会議員の役割の在り方
  • 国民主権の徹底と官僚支配からの脱却のための行政監視の必要性
  • 衆議院議員選挙制度における民意の反映に対する疑問
  • 両院協議会や法案審議の在り方
  • 参議院の独自性や投票価値の平等を踏まえた選挙制度
  • 衆参の「ねじれ」を前提とした政治を行うことについての見解
  • 衆参の役割分担の在り方
  • クォーター制の導入による女性の政治参加と参議院の選挙制度の関連性
  • 職能代表制の問題点
  • 議員に対するサポート体制の在り方
  • 国会における法案審査に対するマスコミ報道の現状

(「二院制」)


【発言者】
松井 孝治 君(民主)、野上 浩太郎 君(自民)、魚住 裕一郎 君(公明)、江口 克彦 君(みん)、佐藤 公治 君(生活)、井上 哲士 君(共産)、亀井 亜紀子 君(み風)、福島 みずほ 君(社民)、水戸 将史 君(維新)、舛添 要一 君(改革)
【主な発言項目】
  • 二院制の堅持を前提とした衆参両院の権限、機能の明確化の必要性
  • 両院協議会の在り方
  • チェックアンドバランスのために二院制を堅持する必要性
  • 衆参両院を統合して一院制に転換する必要性
  • 法案の衆議院における再議決要件を過半数にするよう検討する必要性
  • 参議院議員選挙によって国民は3年ごとに異議申立てが可能との指摘
  • 憲法制定時に日本側の要求で二院制が維持されたとの指摘
  • 立憲主義に基づいた二院制の維持の必要性
  • 決められない政治から脱却するための首相公選制と一院制の必要性
  • 参議院を地方代表的な院とするなどのより良い二院制とするための具体策を検討する必要性

平成25年4月3日(水)第2回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「二院制」のうち、二院制の存在意義について)
【参考人の意見骨子】
東京経済大学現代法学部教授
 加藤 一彦 君
  • 経済的国力と人口規模を考慮した世界の国の状況は、中国以外は二院制
  • 参議院の憲法的機能は、①多様な民意の反映、②第一院の補完機能、③慎重審議の励行、④議会内の均衡の要請、⑤参議院議員通常選挙による定時的定点的民意反映機能の五点
  • 逆転(ねじれ)国会は解決可能な問題であり憲法の予想の範囲内
  • ドイツとは異なり日本では両院協議会による成案の獲得は困難

東洋大学法学部教授
 加藤 秀治郎 君
  • 議院内閣制における議会の役割は有権者に対立点を示すアリーナ型であることを認識することが必要
  • 参議院改革は必要だが、独自性を求め衆議院とは異なる選挙制度とすることには反対
  • 議院自律権を侵す国会法は改廃し、両院をまたぐ党議拘束をやめ各院の「会派規律」とすることが必要
  • 改革案は、①衆議院の再議決の要件を過半数にし、かつ再議決までに60日の冷却期間を設ける、②両院協議会を改革し成案を得やすくする、③(両院議員で構成する)両院合同会の活用による一院制への(段階的)移行の三案
【発言者】
前川 清成 君(民主)、福島 みずほ 君(社民)、磯崎 仁彦 君(自民)、松田 公太 君(みん)、亀井 亜紀子 君(み風)、谷合 正明 君(公明)、はた ともこ 君(生活)、井上 哲士 君(共産)、小西 洋之 君(民主)、水戸 将史 君(維新)、江田 五月 君(民主)、舛添 要一 君(改革)、古川 俊治 君(自民)、松井 孝治 君(民主)、宇都 隆史 君(自民)
【主な発言項目】
  • 問責決議の在り方
  • 多様な民意の反映との親和性の観点からの二大政党制と多数党制の比較
  • 第二院から閣僚を出すことの是非及び諸外国の例
  • 立憲主義の観点からのねじれ国会に対する評価
  • 両院協議会の委員構成、議決要件などを改善する必要性
  • 幅広い合意の形成など、ねじれ国会のメリットの指摘
  • 国と地方の関係など、ドイツ連邦参議院が参考になることの指摘
  • 行政統制の観点からの二院制の意義
  • 二院制から一院制に移行した諸外国の実例
  • GHQ占領下において二院制を実現させた日本人の意思
  • 参議院の特性を活かした取組の在り方
  • 一院制議会に決算、行政監視機能等を担わせることの可否
  • 一票の価値の平等を実現するための選挙制度の在り方
  • 経済力、人口規模と二院制採用の関係
  • 首相公選制を前提とした場合の立法府の在り方
  • 衆参の役割分担を明確にする必要性

平成25年3月13日(水)第1回

日本国憲法及び日本国憲法に密接に関連する基本法制に関する調査
(「二院制」)
【事務当局の報告骨子】
  • 参議院憲法調査会における二院制についての議論の概要
  • 憲法調査会報告書提出後の二院制を取り巻く情勢
【発言者】
福島 みずほ 君(社民)、舛添 要一 君(改革)、榛葉 賀津也 君(民主)、山谷 えり子 君(自民)、江口 克彦 君(みん)、西田 実仁 君(公明)、はた ともこ 君(生活)、中川 雅治 君(自民)、井上 哲士 君(共産)、磯崎 仁彦 君(自民)、水戸 将史 君(維新)、松井 孝治 君(民主)、小西 洋之 君(民主)、大島 九州男 君(民主)、亀井 亜紀子 君(み風)、宇都 隆史 君(自民)、鈴木 寛 君(民主)
【主な発言項目】
  • 行政の肥大化の抑制、衆議院の審議の補完等の観点からの二院制維持の必要性
  • 「決められない政治」解決のため国会の行政監視機能を強化するには、二院制が不可欠
  • 国家の緊急事態に際して、二院制であることの重要性
  • 二院制を前提とした上で参議院改革を行う必要性
  • 小選挙区制度下の一院制の問題点
  • 議院内閣制の下における、二院制と政党の役割の在り方
  • 議院内閣制の下での第二院の行政監視機能の重要性
  • 多様な民意を反映するため、衆参の役割分担及び選挙制度の在り方を考える必要性
  • 衆参がそれぞれ役割を発揮して強大な行政権を抑制する必要性
  • 参議院議員通常選挙において、ドイツの連邦参議院のように地方参画的要素を取り入れる必要性
  • 衆議院の優越規定の在り方について議論する必要性
  • 参議院にしかない調査会を活用して立法機能強化を行う必要性
  • 参議院において党議拘束を外す必要性
  • 参議院先議の法案についてもっと議論する必要性
  • 協議委員の構成、議決要件など両院協議会の在り方を検討する必要性
  • 予算及び予算関連法案の国会審議の在り方
  • 参議院から閣僚を出すことの是非
  • 国会の行政監視機能を大幅に強化する必要性
  • 参議院の条約チェック機能強化が必要
  • ねじれ国会批判に対して何らかの回答を出す必要性
  • 国会がねじれ状態であっても、「三党合意」のように知恵を絞って決められる政治とする必要性
  • ねじれ国会が、国会での議論を活性化させた事例の紹介
  • ねじれ国会に起因する「決められない政治」の解決策としての一院制
  • 憲法改正により、慎重審議の仕組みを有した一院制とすべき
  • 首相公選制と一院制を連動させて行政府をチェックする必要性
  • 解散のない参議院に原子力問題調査特別委員会を設置する必要性

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