第162回国会 参議院憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会 第3号
平成十七年三月九日(水曜日)
午後零時四十分開会
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小委員の異動
二月十六日
辞任 補欠選任
松下 新平君 松井 孝治君
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出席者は左のとおり。
小委員長 舛添 要一君
小委員
愛知 治郎君
荒井 正吾君
武見 敬三君
藤野 公孝君
森元 恒雄君
山下 英利君
郡司 彰君
鈴木 寛君
富岡由紀夫君
松井 孝治君
若林 秀樹君
山下 栄一君
吉川 春子君
田 英夫君
事務局側
憲法調査会事務
局長 桐山 正敏君
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本日の会議に付した案件
○調査報告書に関する件
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○小委員長(舛添要一君) ただいまから憲法調査会二院制と参議院の在り方に関する小委員会を開会いたします。
この際、報告をいたします。
これまでの調査を踏まえ、お手元に配付いたしました二院制と参議院の在り方に関する小委員会調査報告書案を作成いたしました。
本案につきまして吉川春子君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、二院制と参議院の在り方に関する小委員会調査報告書案に対し、反対の討論を行います。
元々、憲法調査会は日本国憲法について広範かつ総合的に調査を行うことを目的に設置されたものであり、その報告書は調査の経過と結果を記載するものであって、論点整理や一定の方向を示すものであってはなりません。このことは小委員会報告においても同様であります。
ところが、本報告書案は、各会派おおむね共通の認識が得られたものと、現段階では意見が分かれているため更に今後検討が必要なものがあるので、これらを整理し、今般、小委員会報告として取りまとめ報告するとして、論点ごとに一致した共通認識が得られたと結論付けています。
このような報告書のまとめ方は憲法調査会の目的、性格を逸脱するものであり、認めることはできません。しかも、随所に各党一致したなどの記述がありますが、事実とも違っています。
次に、報告が事実上改憲に向けた論点整理になっていることであります。例えば、二院制堅持と言いながら、参議院の役割・機能を補完・抑制機能、チェックの院に限定し、具体的な改憲方向を示すものになっており、現行憲法の二院制や国会制度を根本的に改変するもので、極めて重大です。
また、憲法調査会幹事会及び本小委員会報告書作成のための小委員会打合会においても一定の方向性を示さないことが確認されましたが、これにも反していると言わざるを得ません。
最後に、我が党は、恒久平和、国民主権、基本的人権、議会制民主主義、地方自治という五つの原則を持つ日本国憲法の前文と百三条すべての条文を遵守する立場に立っております。その立場から、二院制の下で国会を文字どおり国権の最高機関、唯一の立法機関として発展、充実させる努力を行うものであります。このことを申し上げ、反対討論を終わります。
○小委員長(舛添要一君) 調査報告書についてお諮りいたします。
お手元に配付いたしました二院制と参議院の在り方に関する小委員会調査報告書案を小委員会の報告として会長に提出することに賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕
○小委員長(舛添要一君) 多数と認めます。よって、本案を小委員会の報告として会長に提出することに決定いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時四十三分散会
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