提出の経緯

日本国憲法の改正手続に関する法律案
(第164回国会衆第30号、第164回国会衆第31号)

1.衆参両院の憲法調査会の報告書提出

 憲法第96条は憲法改正にあたり国民投票の実施を義務付けるが、具体的実施には手続を定める法律が必要と解される。現行憲法制定後間もない時期に国民投票法制定への動きがあったが実現に至らず、50年余りが経過した。1990年代に入り憲法改正論議が活発化し、平成12年には衆参両院それぞれに憲法調査会が設けられる運びとなり、前後して憲法調査推進議員連盟等が国民投票法制定を模索し始め、各政党においても国会発議に至る手続も含む具体的法制を検討し始めた。平成17年春に衆参両院の憲法調査会はそれぞれ議長に報告書を提出したが、国民投票法制の早期検討を求める意見が多数であったことを受けて、その動きが加速された。

2.憲法改正国民投票法案の提出

 衆議院総選挙後となる平成17年秋の第163回国会以降、衆議院に日本国憲法に関する調査特別委員会が設置され、参議院では引き続き憲法調査会を舞台に、それぞれ憲法改正国民投票法制に関する調査が開始された。

 衆議院の特別委員会においては、各会派の意見表明、参考人質疑、委員間の自由討議等の調査が進められ、平成18年の第164回国会では論点整理が行われた。以上のような状況を踏まえ、第164回国会の平成18年5月26日、

  • 日本国憲法の改正手続に関する法律案(衆第30号)(保岡興治君外5名提出)
  • 日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案(衆第31号)(枝野幸男君外3名提出)

の両案が提出されることとなった。

 両案は、平成18年の第164回国会から平成19年の第166回国会の3国会にかけて衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会において審査が行われ、第166回国会の平成19年3月27日に与党から両案に対する併合修正案が、同年4月10日、民主党から民主党案に対する修正案がそれぞれ提出され、同年4月12日の委員会、翌13日の本会議において、与党修正案に基づいて修正議決され、参議院に送付された。

 なお、参議院において第166回国会平成19年5月8日「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案(参第5号)(小川敏夫君外4名発議)が提出された。

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