基本的人権 参考人名
公述人名
回次 -

13 実効的な人権保障制度

人権救済制度
  • 人権擁護のためどのような組織・機構を設けるかは、政策決定の問題で、憲法から一義的に出てくるものではない
戸松秀典 154 5 - 8
  • 人権救済については、日本では、時間、労力、費用を要する割に救済の実を上げ得ない司法救済という手段しか基本的になく、法務省の人権擁護委員制度も十分に機能せず、日弁連の人権救済活動もボランティア活動としての限界と権限や効力の壁があった
日弁連
村越 進
154 9 - 5
  • 人権救済機関をつくる場合、行政、司法、立法、どこに所属するかという問題があるが、日弁連としては、行政に属するしかなく、国家行政組織法3条の独立行政委員会になると理解している
日弁連
村越 進
154 9 - 6
  • 司法改革は個人のイニシアチブと司法による事後的救済を強める方向に向いているが、人権侵害、とりわけ弱い立場に置かれている人の場合は事後救済では遅過ぎることが多いため、予防的ないし先回り型、又は事後でも早期対応型の人権救済制度が必要
常本照樹 156 3 - 3
  • 裁判所外での実効的な人権救済機関の在り方を考える際は、1993年に国連総会が採択した国家機関あるいは国内人権機関の地位に関する原則(いわゆるパリ原則)に注目すべき
常本照樹 156 3 - 3
  • 司法改革の基本的考え方は国民を統治の主体にすることであるが、実際の社会に存在する統治の主体たり得ない人への目配りが必要。人権委員会等の機関は目配りを考慮した組織であるべき
常本照樹 156 3 - 6
  • 民事・刑事・行政等多くの事件を担当する裁判官が人権問題についても十分対処できるかは難しい問題であり、人権審判所を設ける諸外国の例を参考に、人権委員会的なところで、人権問題のスペシャリストにより裁判所の足らないところを補っていくことが必要
常本照樹 156 3 - 6
  • 人権通報機関の設置等については、アイヌ民族も是非にと願う
ウタリ協会
秋辺得平
156 4 - 3
<人権擁護法案>
  • 法案は法務省の外局として人権委員会を設置しているが、国連人権委員会が求めているような政府から独立した機関を設置すべき
日弁連
岡部保男
154 9 - 3
  • 法案の人権委員会は、(1) 人権侵害が起きている入管や拘置所を扱う法務省の外局として置かれること、(2) 法務省との出向人事により独立性が保てないこと、(3) 今ある法務省の人権擁護局と実質そう変わらないことになるのではないか、という点で問題がある
日弁連
岡部保男
154 9 - 9
  • 日弁連は、政府から独立した人権救済機関が必要であるとして取り組んできたが、法案が想定する人権委員会は、国連や日弁連が求めるものとは全く異なり、政府からの独立性に欠け、また、その規模等で実効性があるのか疑問
日弁連
村越 進
154 9 - 5
  • 法案が想定している人権委員会のように独立性がない機関がメディアに対する調査権限を有することは、国民の知る権利や報道の自由を侵害するおそれが大きい
日弁連
村越 進
154 9 - 5
  • 憲法学者の中にも、国家が人権擁護機関を設置すると国家からの自由を侵害しないかとの危惧、法務省の外局として設置されることへの危惧、私人間の人権侵害ばかりをやり、国へのコントロールをしっかりやらないのではないかとの危惧がある
戸波江二 155 3 - 15
  • 人権擁護法案は、差別表現の規制と報道機関の取材・報道の自由の規制という表現に対する二重の規制を課す
田島泰彦 155 4 - 4
  • 人権擁護法案は、犯罪被害者やその家族等の生活の平穏を害する取材や報道を行うことを人権侵害とし、人権委員会による救済の対象とするが、生活の平穏を害するという要件はあいまいで漠然としており、公人への適用除外措置もないため、メディアの取材、報道に過剰な制約が及ばないかとの批判がある
田島泰彦 155 4 - 4
  • 独立性が確保されているとしても、差別か否かなど表現の中身を行政機関が判断してよいのか。行政機関が口出ししてはいけないというのが民主的社会のルールであり、自主的努力や司法の役割を探るべき
田島泰彦 155 4 - 12
  • 人権擁護機関を純粋な独立機関とする考え方もあり得るが、日本では十分な経験・蓄積がなく、また、行政機関が表現に立ち入ってよいかという原理的問題もあり、表現やメディアの分野では自主的な努力を強めるしかないと考える
田島泰彦 155 4 - 14
  • 人権擁護法案には、禁止される差別として、家族的状況も盛り込む必要がある
申 惠ボン 156 2 - 6
  • 人権委員会の独立性に関しては、頻発している刑務所内での虐待のように法務省の管轄下で行われている人権侵害に対してどれほど効果的に対処できるのか疑問
申 惠ボン 156 2 - 6
  • 人権擁護法案の人権委員会は、法務大臣の所轄に属し、独立性の要素を満たしていない。省庁を横断する調整的機能を持つ内閣府に所属させ、その上で人権委員会に人事上の独立的権限を持たせるというような形が望ましい
申 惠ボン 156 2 - 8
  • 人権委員会は、委員の多元性確保等の観点から、人数を増やすとともに(少なくとも10人程度)、マイノリティーが含まれることも含めて多元性の保障という要件を置く必要がある
申 惠ボン 156 2 - 12
  • 差別禁止事項を具体的に示した法令は、現在は憲法以外にないが、人権擁護法案は、差別的取扱いを禁止する規定が法的効力を持ち、不法行為責任を問う根拠になるとも言われており、初めて差別を一般的に禁止した法律と言うこともでき、注目される
常本照樹 156 3 - 3
  • 人権委員会と法務省との関連性の最大の問題は事務局のスタッフィングであり、人権委員会に独自の採用権限を認める、法務省出身者が事務局に入っても、内閣法制局のように出身母体に厳しく審査するというカルチャーを確立するなどが考えられる
常本照樹 156 3 - 10
<人権オンブズパーソン>
  • 川崎市人権オンブズパーソンには強制力は与えられてない。強制力の使用は、互いの権利を尊重し合うという人権本来の在り方についての市民の理解を深めることにはならないこと、被害者意識が残り二次被害の発生につながりかねないことによる
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 4
  • 人権オンブズパーソンの活動において、事案解決のためには、市、国、他の自治体、NGO、NPOなどとの緊密な連携が不可欠
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 4
  • 人権オンブズパーソンは市から独立した機関であるため、市立学校でいじめや教師の暴力があった場合にも、子供が学校、教師、友達に気兼ねなく安心して相談できる
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 4
  • いじめのような事例では、当事者や保護者への直接の接触と働きかけが不可欠であるが、人権オンブズパーソン制度は、行政が設置しかつ行政から独立した第三者機関であるため、それが可能である
川崎市人権
オンブズ
パーソン
目々澤富子
156 4 - 4
  • 在日外国人のための人権オンブズパーソンは可能性を秘めた制度。在日外国人には独特の悩みがあり、監督官庁が分かれている中で、横断的に問題点を探り指導していけるシステムは有効であり、早期救済という意味では機能し得る制度
東澤 靖 156 4 - 12

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