司法 会派 委員名 回次 -

3 憲法解釈権と憲法裁判(違憲立法審査権)、憲法裁判所制度

憲法解釈権
  • 内閣法制局の憲法解釈が最高裁の判例以上の重みで取り扱われていることは不可解であり、憲法の有権解釈は憲法裁判所的なものを設置して担わせるべき
自民 岡田直樹 161 5 - 12
  • 憲法解釈は、内閣・政府、すなわち首相及び国務大臣がその責任において示すべきものと考えるが、現状は内閣法制局が解釈権を独占し、政治はそれに服従しているかのようである
自保 椎名一保 156 8 - 7
  • 内閣法制局が事実上の公的な解釈機関ということについては、改善しなければならない
自民 山下英利 162 2 - 2
  • 内閣法制局と立法府の法制局の見解が分かれた場合、裁判所に委ねることを明確にする必要がある
自民 山下英利 162 2 - 3
  • 党の憲法調査会中間報告(平成13年)は、本来政府の一機関にすぎない内閣法制局が事実上、憲法解釈の権威となっている姿は異常として、憲法裁判所・憲法院など違憲立法審査のできる司法機関の新たな整備を検討すべきとしている
民主 江田五月 154 4 - 3
  • 内閣法制局が事実上行使している憲法適合性についての抽象的審査権を、司法権とは別の国家機能として最高裁に移すことも憲法上できないことではないと考える
民主 江田五月 154 4 - 3
  • 党の憲法調査会中間報告(平成16年)は、憲法解釈の機関として、衆参両院の法制局を強化し、執行機関の一部局たる内閣法制局は縮小すべきとしている
民主 郡司 彰 161 5 - 3
  • 憲法の公権解釈を最終的に担うのは裁判所だが、第一次的には、民主的基盤に立つ立法府が担うべき
民主 那谷屋正義 161 5 - 9
  • 憲法解釈が内閣法制局中心で、民主的統制を経ずに従来の解釈が続けられているとしたら、憲法解釈の在り方について、だれがどういう解釈をし、どのような形で民主的統制に服していくべきかを議論すべき
民主 松井孝治 159 1 - 21
  • 国会自身が独自に憲法の解釈を示す必要がある。さらに、最高裁・司法が示す憲法解釈について、場合によっては最終的に国民の判断にゆだねていくような在り方についても、検討すべき
民主 松井孝治 159 7 - 10
  • 内閣法制局の憲法解釈が絶対的地位を占めるのは不健全であり、国会が自らの憲法解釈について見解を示すべき。ただし、政治的に使われるのは危険であり、参議院がより大きな役割を担うべき
民主 松井孝治 161 ii - 2
  • 執行組織である内閣の一部門が憲法解釈を独自の判断で行うことは適切であるが、それが憲法解釈のすべてを決めるような現状はおかしい
民主 松井孝治 162 i - 4
  • 憲法解釈について、最終判断は司法にゆだねてもよいが、立法府としての憲法解釈を持つべきであり、参議院がチェックの院として、内閣や衆議院の憲法解釈をチェックする機能も重要になる
民主 松井孝治 162 i - 4
  • チェックの院としての参議院が内閣や衆議院の憲法解釈についての議論を党派を超えて行うべき。憲法学者や裁判所OBを呼び、憲法解釈に関して見識を深めるような議論をすべき
民主 松井孝治 162 i - 9
  • 日本でも、イタリア上院第一委員会のように、議院の中に法案の憲法適合性審査を行う委員会を設置する余地があるのではないか
公明 魚住裕一郎 161 5 - 22
  • 改正を前提とする議論も可能な立法府の憲法論議に対し、憲法尊重遵守義務に裏付けられた内閣法制局の憲法判断は、憲法保障の重要な機能を担っており、その役割は重視されるべき
公明 山口那津男 161 5 - 9
  • イタリアのように、立法府としての憲法解釈を示す機関を国会に設置することを検討してはどうか
公明 山下栄一 161 5 - 5
憲法裁判(違憲立法審査権)
  • 党の論点整理(平成16年)は、最高裁による違憲立法審査権の行使の現状には不満があり、憲法裁判所制度あるいは最高裁の改組などについて検討すべきことについて異論がなかったとしている
自民 若林正俊 161 6 - 10
<意義>
  • 立法府と行政府の実質的一体化の中で、司法府に対し、政策の合憲性又は違法性審査の役割が一般から期待されている
自民 山下英利 162 2 - 1
<付随的違憲審査制>
  • 憲法裁判所を否定はしないが、今の付随的審査の在り方というものは非常に優れた考え方である
自民 愛知治郎 162 3 - 14
  • 党の新憲法起草小委員会の検討(平成17年)においては、憲法裁判所設置については、慎重意見・反対意見が多くあり、現在の付随的違憲審査制のみで、抽象的、一般的違憲審査のシステムは設けないとして、憲法裁判所は設けないとしている
自民 舛添要一 162 6 - 3
  • 付随的審査制には、具体的事件に即したきめ細かな憲法判断が可能、下級裁判所も違憲審査権を行使可能、訴訟当事者として市民が参加可能という利点があり、これらをいかす制度設計及び運用を考えなければならない
共産 仁比聡平 161 5 - 6
<現状・評価>
  • 日本では英米型の付随的違憲審査制がなじんでおり、このような形でよい
自民 松村龍二 162 3 - 3
  • 立法府はもっと司法府の憲法判断を尊重し、積極的に行動すべきであり、司法の消極性を前提にすれば、たとえ傍論であっても大きな意味 を持ち、立法府は真摯に受け止めるべき
公明 山口那津男 161 5 - 9
  • 昭和23年から平成15年までに最高裁が実質的に憲法判断を行った件数は2,500件を超えており、積極的に合憲判決を下し、一定の憲法解釈を示したことに意義がある例も多々ある
公明 山下栄一 161 5 - 4
  • 付随的違憲審査制それ自体は無力でなく、活用されてこなかった点に問題がある
共産 仁比聡平 161 5 - 6
  • 違憲判決を下した裁判官に対する差別待遇が、下級裁判所の違憲審査の活力を著しくそいでいる
共産 仁比聡平 161 5 - 6
(違憲判断に対する消極的態度)  
  • 最高裁は、もっと積極的に具体的争訟の中でしっかりと審査をしていくべき
自民 愛知治郎 162 3 - 14
  • 現在の最高裁が本当に憲法の番人といえるか疑問
自保 谷川秀善 153 3 - 4
  • 政治部門への過度の遠慮は、多数決によっても侵すことのできない人権を守る裁判所の使命を抑制する弊害を生む
民主 那谷屋正義 161 5 - 9
  • 違憲判決を出した裁判官は出世できないという風潮があり、積極的な憲法判断のためには、米国の法曹一元制度のように裁判官を一定期間務めたあと弁護士や検察官に戻るというような人事の問題に踏み込む必要がある
民主 前川清成 161 5 - 11
  • 今の裁判官制度を改革しなければ、違憲立法審査権の行使は活性化しない
民主 前川清成 162 3 - 18
  • 定数配分訴訟について、いつまでも事情判決、立法裁量論で退けると、国民主権を本来いかすべき制度について司法の役割を放棄してしまうことになるのではないか
公明 魚住裕一郎 153 3 - 7
  • 最高裁の違憲審査制行使に対する消極的態度が、立法府や行政府の憲法に対する緊張感を失わせている
共産 仁比聡平 161 5 - 6
  • 合憲判断は事件解決に不必要な場合にも行う一方、違憲判断は厳密に事件解決に必要な場合に限定するという最高裁の姿勢は、国家機関による憲法規範の逸脱を統制するという違憲審査制の意義を没却するものではないか
共産 仁比聡平 161 5 - 6
  • 最高裁は当調査会で、もっと憲法判断を行うべき旨の発言をしており、改善を期待したい
共産 吉川春子 154 4 - 5
  • 裁判所は違憲審査権行使に消極的との指摘があったが、人権を守るとりでである裁判官が事実に即して判断を積極的に行うことが必要
共産 吉川春子 156 5 - 10
  • 憲法判断の回避の準則が禁欲的過ぎる。三権分立の中で司法権の権威を確立し、憲法擁護の役割を果たすには、その姿勢を変え、国民の憲法上の権利を守っていくとのスタンスで判断すべき
社民 大脇雅子 153 3 - 10
(内閣法制局との関係)
  • 最高裁の違憲審査に対する姿勢は一貫して消極的であり、その結果、内閣法制局が実態面で最高裁の役割を果たすがごとき事態を招いている
自保 近藤 剛 154 4 - 11
  • 行政権の一部である内閣法制局が憲法解釈を独占することがあってはならず、憲法院や憲法裁判所をつくるような形で、司法ができる限り違憲立法審査を行う機関をつくるべき
自保 舛添要一 154 4 - 2
  • 内閣法制局による事前の憲法適合性審査とは別に、司法が独立して憲法判断をすることが必要であり、従来内閣法制局の憲法解釈を受け身の形で容認してきたことを反省すべき
自民 山下英利 161 5 - 8
  • 最高裁の違憲立法審査が極めて受動的にしか行われず、事実上、憲法解釈を内閣法制局が担うのは不健全。憲法解釈の主体について、憲法院等も含めて検討が必要
民主 松井孝治 154 4 - 13
<立法不作為>
  • 立法不作為とは、元々国民の権限や権利の侵害にかかわってくる問題。国民投票法の不存在が立法不作為であるとの議論があるが、国民投票法の不存在により国民の憲法改正権が侵害されたとは言えず、立法不作為論に立つべきではない
共産 井上哲士 159 7 - 14
  • 国民投票法がないことが立法不作為との議論が一部にあるが、立法不作為とは、法の不整備により国民の具体的権利侵害があるときに問題とされるものであり、国民は制定の必要性を認めておらず、国会の怠慢という議論は当たらない
共産 仁比聡平 162 6 - 14

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