二院制と参議院の在り方 参考人名
公述人名
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2 参議院の機能-特に独自性を発揮すべき分野

参議院の在り方・参議院改革
  • 参議院有識者懇談会の提言のうち、再議決要件の緩和、議事定足数の廃止、地方院については憲法の改正が必要だが、首相指名の不行使や弾劾裁判所の構成、特定議案の優先審議、通年会期化、会期不継続原則廃止などは両院間の協議、参議院独自の努力で目的達成が可能ではないか
高見勝利 159 i - 5
  • 国会の改革は制度の改革と慣例の改革があるが、制度が基本であり、参議院改革、特に両院関係は憲法を変えないと難しい
岩井奉信 159 ii - 13
  • 参議院改革を見ると、強い院で、人数が少なく、議員の政治的地位が高く、独自の上院文化であるクラブ意識が政党間・イデオロギー間の対立を穏健なものにしている米国上院が理想像だったのではないか
蒲島郁夫 159 ii - 6
  • 参議院が再び活発化するのは日本にはよいことであり、もっと弱くなれというのはおかしい議論ではないか
蒲島郁夫 159 ii - 7
  • 今の憲法のままで十分強い賢い参議院になれるのではないか
蒲島郁夫 159 ii - 13
<現状>
  • 政党化して党利党略で動く、衆議院で落選した人がつなぎに参議院に回る、任期中に衆議院にくら替えする、民意を尊重し主張する無所属議員がほとんどいない等今の参議院には独自性がない
本田年子* 154 I - 4
  • 憲法制定時は衆参はほぼ対等との考え方であったが、法律以外は衆議院が越えるべきハードルが低く、是々非々の緑風会の影響もあり、強い参議院は見えなかった。その後、55年体制、多党化の中で法律案再議決権の高いハードルにより参議院が力を持つようになった。政党の状況により強くもなり弱くもなる
高見勝利 159 i - 8
  • 二院制批判には無用論と有害論があり、日本では無用論は以前からあったが、近年は強過ぎる参議院が政権交代効果を阻害するといった批判が出ている
岩井奉信 159 ii - 1
  • 国会改革では、無用論があり危機感がある参議院が、常に先陣を切る先進性を持っている
岩井奉信 159 ii - 3
  • 衆議院の後に審議する参議院の方が非効率、無用論の批判を一手に受けるということはあるが、もとよりその原因は政党化で政治抗争に巻き込まれたところにある
岩井奉信 159 ii - 14
  • 自民党が両院をコントロールしていたときには参議院カーボンコピー論が出たが、今は自民党体制の一角が崩れ、政策運営の邪魔になってきた参議院を弱めるべきとの議論が出ている
蒲島郁夫 159 ii - 5
  • 参議院議員は若くなり、女性が多くなり、学歴が高くなったが、これはプラスの方向に向いているのではないか
蒲島郁夫 159 ii - 7
  • 調査会の活動は注目すべきで、このような活動は、(1) 女性議員が多いこと、(2) 非党派的・客観的議論が存在することに支えられている
大山礼子 159 iii - 4
存在意義・役割
  • 参議院は一歩高みに上がり、衆議院をたしなめる役割をしてほしい。それには、年齢・選出母体・選出地域の広狭・定員の問題などがある
内田健三 150 2 - 17
  • 参議院改革の原則的な考え方として、中長期的な審議に基づく権威を期待。行政監視を含む再考の府としての機能を発揮し得る仕組みを導入することに賛成
中村睦男 151 4 - 2
  • 参議院は、直接に内閣の基礎となる衆議院とは違った立場で、かつ、全国民代表としては同等の立場で、内閣のチェックを行うことが期待されている
小澤隆一 151 6 - 9
  • 参議院は政権争いの場になるのを避け、各会派の意見交換の場として世論盛上げに必要な情報発信源となるべき
前田英昭 151 7 - 5
  • 参議院は衆議院からはじき出された民意も含め多様な民意を反映させるべき
前田英昭 151 7 7 - - 5 12
  • 衆参は、一般には、抑制、補完、均衡の関係。解散のない参議院は長期的視野に立ち、政権と一歩距離を置いた審議が可能と言われている
内閣法制局 151 9 - 10
  • 第二院の存在理由としては、(1) 下院での性急な行為や過誤の是正・回避、(2) 民意の確実な反映という二点が指摘される
隅野隆徳* 154 I - 2
  • 参議院は、抵抗の府・チェックの府というより、専門的・安定的・継続的に審議し、衆議院に提言する提言の府であるべき
早川忠孝* 154 I - 4
  • 数の衆議院に対して理の府である点に、参議院の独自の役割や機能があるはず
本田年子* 154 I - 4
  • 参議院は当初の日本案では法律案に遅延権、停止的拒否権しかない反省の府だったが、総司令部との調整の結果、民主的で強力な抑制の府へ地位を高め、強い参議院として憲法で実定化された
高見勝利 159 i - 3
  • 地方の権限、権力が非常に強くなっている中で、第二院の機能・役割が非常に強くなってきている傾向を最近非常に感じる
高見勝利 159 i - 8
  • 参議院の審議の意義は、衆議院で議論が不十分であったところ、見落としたところ、衆議院の議論後に出てきた問題といったものを受け止めて議論することではないか
高見勝利 159 i - 13
  • 衆議院を決定の院とするのに対して参議院は監視の院としての機能を伸ばし権威を高めることが重要ではないか
岩井奉信 159 ii - 3
  • 決定や政権の帰趨を左右するものには衆議院の優越を広く認め、参議院の独自性は、長期的な視野に立てる問題、それに基づく政策の評価、調査、監視に重点を置くことで、権威につながるのではないか
岩井奉信 159 ii - 3
  • 参議院の任期が長いところは変えるべきでない。長い任期を前提にした政策評価や調査的なものなどの機能分担、法案付託の段階での振り分けなども考えていく必要がある
岩井奉信 159 ii - 9
  • 上院は一般に、解散がなく、半数又は一部入替制をとり、任期も長く、年齢要件も下院より高く、下院のダイナミズムを緩和する保守性、漸進性が期待されており、これは参議院にも当てはまる
大石 眞 159 ii - 4
  • 米国上院に目線を置けばそれなりに改革できるかもしれないが、弱い上院でかつ良識の府とすると改革のゴールは見えないのではないか
蒲島郁夫 159 ii - 6
  • 参議院の理想像が米国上院を目指すなら賢くて強い参議院の方向に行かねばならず、それには弾力性の確保が大事である
蒲島郁夫 159 ii - 7
  • 与野党対立により処理する問題は衆議院で行い、参議院はそれ以外の問題を中心に役割を果たせばよい
飯尾 潤 159 iii - 2
  • 衆議院は権力密着型で政権をつくり、参議院はそれを冷静に眺めるのが基本でよい
金指正雄 159 iii - 7
  • 衆議院は現実処理にアクセントを置き、国益で物を考えるが、参議院は同時に社会益・人類益まで考えるという視点の違いがあってもよい
金指正雄 159 iii - 7
  • 政治は時間の要素が大きく、参議院は、時間差の中で起きる変化を考慮したり、6年の任期を使って違った視点から物差しを当てることで 見えなかったものが見えてくるという点に値打ちがある
金指正雄 159 iii - 8
  • 第一院と行政府による政策形成をダブルチェックするという大きな意義がある
小林良彰 161 i - 1
  • 選挙制度の完全入替制と半数入替制の違いにより、衆議院が持つ時には行き過ぎたダイナミズムを緩和する効果を持ちうる
小林良彰 161 i - 1
  • 衆議院が小選挙区中心の多数代表の論理で構成されるなら、それと異なる論理で構成することにより、多様な意見の反映というメリットを 持ちうる
小林良彰 161 i - 1
  • 任期の長さや良識の府たる議員の選出により、所属政党においても議論を深め時にはリードする役割を担うことも重要な役割
小林良彰 161 i - 1
  • 二院制の存在意義を考えるなら、ダブルチェックと任期の違いをいかした役割分担があり、参議院がより長期的問題を中心的役割として担うことは考えられ、その中には外交案件も含まれる
小林良彰 161 i - 7
  • 連邦制に近い道州制にすると、各州の利益を代表するものが必要になるので、その場合、現在の参議院の在り方を多少変え、州を代表する議院にしてはどうか
永久寿夫* 162 I - 20
  • 6年の任期で解散がない参議院は、長期的視点から審議をするという特性がある
山本 清* 162 I - 22

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