基本的人権 参考人名
公述人名
回次 -

5 法の下の平等(マイノリティや外国人など)

法の下の平等
  • 平等原則は、日本でもよく人権保障が発展した領域の一つ
戸松秀典 154 5 - 2
  • 明治憲法には、根本的には、平等原則に当たるものがなかった
戸松秀典 154 5 - 5
  • 法の下の平等は昔も今も非常に重要なテーマ
初宿正典 154 6 - 6
  • 社会権規約委員会が、同規約2条2項に定める差別の禁止は例外なき絶対的原則であるとし、障害者差別条項の廃止とあらゆる差別を禁止する法律の制定を勧告していることは注目される
日弁連
村越 進
154 9 9 - - 3 4
  • 14条だけでは、差別として許されない行為の具体的内容や、差別を受けた人の救済手段が不明確なため、人権の実現や人権侵害に対する救済が困難であり、各分野の差別禁止法が必要
日弁連
村越 進
154 9 - 5
  • 伝統的な人権論では、国家からの自由で、国家は何もすべきでないこととなるが、社会の中での差別、雇用の問題などには、国に人権(の不平等)を除去するような法律を整備する義務が生じるのではないか
戸波江二 155 3 - 9
  • パートタイム労働者とフルタイム労働者等の待遇上の差別にかんがみると、差別禁止、平等取扱いの原則を現実社会に定着させるような立法化が必要
西谷 敏 155 3 3 - - 9 15
  • 欧米でも規制緩和は進んだが、いわゆる差別禁止についての規制はむしろ強化されている
西谷 敏 155 3 - 15
  • 連合では、人権の問題を運動の主要な柱の一つとしており、同和地域に今日なお根強く残る就職、雇用における差別の問題など、14条(法の下の平等)、22条(職業選択の自由)、21条(結社の自由)の趣旨に相入れない実態が報告されている
連合
草野忠義
156 1 - 5
  • ワークルールの中では、年齢による差別の禁止を基本的考え方としているが、今の日本の賃金システム等を考えると、現実問題として年齢による差を一気に解消することは不可能ではないか
連合
草野忠義
156 1 - 9
  • 差別について、14条は個々人に直接適用されるものではなく、差別禁止法を制定することが望ましい
申 惠ボン 156 2 - 8
  • 私人間でも、間接適用説により憲法の人権保障の趣旨を及ぼすことはできるが、法律効果を伴わない差別発言等への対処は極めて困難であり、法律に差別禁止規定がないと裁判的救済に困難がある
常本照樹 156 3 - 3
<アファーマティブ・アクション>
  • 積極的な是正政策については、他方で新たな差別が生まれ、そのマイナス面をどう調整するかという問題が生ずるため、平等原則から直ちに憲法上の要請とは言えず、慎重な姿勢が必要
戸松秀典 154 5 - 13
<一票の価値>→国会 5 選挙制度
男女平等
  • 公的な場は家父長制が最も根を張っている場所なので、そこが旧態依然とした考えを脱すれば、性差別や人権侵害に対する局面が新たな段階に至ることも可能となるのではないか
柳原良江* 154 II - 20
  • 性差別禁止法を制定し、未婚・既婚の別、家族状況(子供の有無等)、妊娠、出産を理由とした差別等も盛り込むべき
申 惠ボン 156 2 - 5
  • 女性差別撤廃条約は、女性差別が男女の役割分担の発想から来るところが大きいとの考えに基づき、これを古いものとして考えるが、自分も同様に考える
申 惠ボン 156 2 - 6
  • 男女の文化的、伝統的な違いに関しては人間が社会の中で培ってきた固定観念の面が強いので、社会の変化によって十分変わり得る可能性がある
申 惠ボン 156 2 - 6
  • フェミニズムの議論等によれば、男女の性別(セックス)がまずあり、それに文化的、社会的なジェンダーが付いてくるという議論が支配的であったが、最近では、性転換者等の出現によりセックスはボーダーライン的なものがある存在で、むしろジェンダーの方が最初から決めて掛かっている社会的な通念であるとの議論が有力になっている
申 惠ボン 156 2 - 7
  • 14条を踏まえた法律による具体化が進めば男女平等が前進する。憲法改正は現時点では不要
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 14
  • 男らしさ、女らしさという価値は、個人の適性・能力を無視し、性別ごとにふさわしいとされる生き方を個人に押し付ける役割を果たすが、これは社会的観点から見て多くの損失に結びつくことを認識する必要があり、その意味で、男女の基本的対等性は現在でも重要な社会的原理
西原博史 161 4 - 16
  • 男女差別の根本的要因は、男性が主たる稼ぎ手で、女性は家事、育児をして補助的に働くという性別役割分担意識が色濃く残っていることではないか。また、女性の発言や人格が男性より劣っているとの意識も強い
赤石千衣子* 162 I - 27
<クォータ制>
  • 日本の女性議員の数は少ないと思うが、クオータ制で強制することは悩ましく、憲法改正で男女同権を定めたドイツのように全体的な取組を考えてはどうか
大山礼子 159 iii - 13
<労働における男女平等>
  • 1998年の均等法改正により、女子の雇用差別、採用時の差別が違法となったが、ドイツでは損害賠償請求も可能であり、もう少し、人権保護のための立法を考えてもよい
戸波江二 155 3 - 9
  • 男女の賃金格差が近年拡大を続けていることや、14条の法の下の平等の規定が国家からの自由として規定され、私人間には及ばないことを踏まえ、労働の場における男女の平等について労働権として明示すべきとの見解もある
連合
草野忠義
156 1 - 5
  • 男女雇用機会均等法制定の結果、コース別雇用による事実上の男女の職務分離がかえって進み、男女の賃金格差・待遇格差が正当化され、改善されない状態が続いている
申 惠ボン 156 2 - 3
  • 雇用及び職業についての差別的待遇に関するILO111号条約を批准すべき
申 惠ボン 156 2 - 5
  • 結婚退職制、出産退職制、25歳・30歳定年退職制に対し、1960年代に裁判闘争や職場の取組が進められ、1975年の国際女性年を契機に、女性に対する差別撤廃条約の批准、雇用機会均等法の制定がなされ、賃金、昇進、昇格差別の是正の取組が進んだ。男女平等を目指す取組のなかで憲法は大きなよりどころ
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 5
  • 現在の職場の実態を見ると、女性労働者は4割を占めるが、男女差別は随所に残り、昇格差別による年収の差、昇任に係る期間の差、コース別人事で女性は原則一般職採用のみなどの実態がある
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 5
  • 男女間賃金格差は、パートを除く女性一般労働者の所定内給与は男性の65.5%、パートを含めると50%に過ぎず、国連からも是正を求められている。背景として教育訓練、配置、昇進の差別があり、2000年の管理職に占める女性の割合は、係長相当職11.9%、課長相当職5.5%、部長相当職3.2%と改善したとはいえ少数
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 5
  • 不当な男女差別に対し立ち上がる女性が増え、芝信用金庫男女差別是正裁判が最高裁において解決した。職場における女性差別は人間の尊厳に対する侮辱、人権の侵害であるとして、1987年に提訴し、解決までに15年が掛かった
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 5
  • 芝信用金庫女性賃金差別事件、住友ミセスの差別裁判において、最高法規である憲法の法の下の平等が大きな役割を果たした
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 14
  • 雇用の場における男女平等実現のために必要な法整備としては、労働時間を短縮する労働基準法改正、男女均等法の罰則整備、さらに間接差別の禁止等を含む男女を対象とした平等法にすること、パート労働法の改正、最低賃金の引上げや全国一律最低賃金制の確立、看護休暇の義務規定化等の育休法の改正などが求められる
全労連女性局長
中嶋晴代
156 4 - 14
<男女共同参画>
  • 男女共同参画社会基本法は、社会の制度・慣行がライフスタイル中立的なものとすべきことを基本理念としている点で、個人の自己決定権実現にとって画期的意義を持ち、今後の日本社会変革の基本的枠組みになる
申 惠ボン 156 2 - 3
  • 税制上の配偶者控除制度、年金の被扶養配偶者制度等は根本的に見直しを行い、基本的には廃止の方向とすべき
申 惠ボン 156 2 - 5
  • 男女の賃金格差、婚外子への差別、夫婦同姓等、女性の生きにくさは残っている。日本の女性の政治・社会参画を示すGEMの順位は世界で38位であり、これが問題解決を遅らせる結果ともなっている
赤石千衣子* 162 I - 17
子供の人権
  • 子供の人権を単に保障すればよいのではなく、日本の家族像を基にした処遇をまず考えるべき
戸松秀典 154 5 - 9
  • 子供の虐待を防ぐためにも、男女がともに家庭責任を担える社会の実現が焦眉の課題
申 惠ボン 156 2 - 4
  • ジェンダー的差別や男女の役割分担を前提とした法制度・慣行といった社会のゆがみが子供の虐待にもつながっている
申 惠ボン 156 2 - 4
  • 侵害された子供の人権を回復し、子供と学校や教師の関係を修復し良好な教育環境に子供を戻すためには、損害賠償などの訴訟による司法的救済でなく、非司法的救済が基本
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 5
  • 子供の人権については、地域に密着した市町村レベルの取組が重要であり、国の側に子供についての基本法があれば、自治体における予算面での浸透なども図られるので、基本法をつくることにより子供の人権が保障される社会が実現される方向でやってほしい
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 9
  • 子供の権利条例ができたとしても宣言的な条例では意味がなく、現実に侵害されたときの救済制度が必要
川崎市人権
オンブズ
パーソン

目々澤富子
156 4 - 13
障害者の人権
  • 現在の障害者年金の額では、障害者は自立できない
前田 豊* 154 II - 21
  • 民法877条により親が子の扶養義務を負うため、障害者は、幾つになっても親が面倒を見ることになり、自立できない。同条は廃止すべき
前田 豊* 154 II II - - 21 24
  • 障害者は戦争になっても国に協力できないため、非国民と言われた時代もあった。障害者は平和がなければ生活できず、いかなる戦争にも協力しないことにより、初めて障害者の人権が守られる
前田 豊* 154 II II - - 21 27
<障害者差別禁止法制・ADA法>
  • 米国のADA法と日本のバリアフリー法とは性質が違なるが、我々障害者が様々な社会に参加する上ではメリットが大きい
前田 豊* 154 II - 26
  • 米国のADA法は、労働や公共交通機関の利用における差別を禁止し、障害者の自立を保障する画期的立法であり、同法制定後、障害者差別禁止法制を持つ国が増え、現在では43か国を超えている
日弁連
村越 進
154 9 - 3
  • 障害者基本法等日本の法制度は国や地方公共団体の施策が中心であり、障害者は施策の対象であって権利主体と位置付けられていないため、障害者が差別やバリアを自ら除去しようとしても、根拠となる具体的規定がなく、裁判等でも困難に直面してきた
日弁連
村越 進
154 9 - 3
  • 社会権規約委員会が、同規約2条2項に定める差別の禁止は例外なき絶対的原則であるとし、障害者差別条項の廃止とあらゆる差別を禁止する法律の制定を勧告していることは注目される
日弁連
村越 進
154 9 9 - - 3 4
  • 日弁連は、障害のある人に対する差別禁止法を制定すべきとの宣言を採択し、法律制定に向けた活動を続けている
日弁連
村越 進
154 9 - 4
<精神障害者の人権>
  • 心神喪失者医療観察法案は、再犯のおそれという判定も予測も極めて困難な要件をもって、治療行為としてではなく、医学的根拠もなしに精神障害者を期限の定めなく隔離収容することを認めるものであり、精神障害者に対する差別と偏見を助長し、らい予防法の誤りを繰り返すものである
日弁連
村越 進
154 9 - 4

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